セーヌ川と松川の歴史

 パリはセーヌ川によって生まれ、セーヌ川と共に育ってきた街だ。花の都の遊覧船に乗って、セーヌ川の流れをたどる時、ノートルダム寺院は1000年の風雪に耐えた威容で私たちを見下ろす。
 一方、富山も戦国時代、神通川を外堀に富山城が築かれ、城下町として発展してきた街だ。その名残を残す松川で遊覧船に乗ってその歴史をめぐる時、かつての神通川の上にサンシップや富山県庁、市庁舎、電気ビルが立ち並ぶのを目にすることができる。
 パリの紋章は、その川と船をかたどったものだが、富山市はなんと神通川を行き交う帆船を庁舎のデザインに採用した。
 神通川によって生まれ、松川と共に育ってきた富山。遊覧船に乗って松川の流れをたどる時、神様が通られて誕生した富山の歴史がよみがえってくる。
 「荒城の月」を聞きながら、松川遊覧船で下る時、最高に趣が深い。

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