松川と常願寺川、神通川(富山市)

 富山市の中心部を流れる松川は、かつてここを流れていた神通川の右岸側に当たりますが、現在は神通川の河床低下で、神通川の水は流れておらず、常願寺川から農業用水のために取水された水がベースとなり、雨が降った際には雨水も流れる川となっています。
 主要な水源は、常願寺川から取水された「常西合口用水」で、この用水が田んぼの水を張った後、四ツ谷川、冷川、佐野川といった支流を経由して松川の起点に到達します。さらに、田んぼに水が張られていない「非かんがい期」には、松川の水量が少なく水質が悪化し、水位も低下するため※、「松川浄化用水導入施設」から浄化用水の取水が行なわれます。これは、神通川に注ぐ土川に設置されたゴム堰を用い、最大毎秒2トンの水を佐野川に取水し、松川へ導くものです。雨で土川が一定の水位に達すると、自動でゴム堰がしぼみ、取水門も閉じられる仕組みになっています。
 なお、松川の水位の維持には、松川といたち川の合流点の下流にある固定堰も重要な役割をしています。この固定堰がダムのような役割を果たし、市街地を貫く美しい水鏡が創り出されています。一方、この固定堰があるために、雨で水量が増えた場合、松川やいたち川のリバーウォーク(散歩道)が冠水しやすくなるというジレンマもあり、今後、可動堰化が期待されています。
 松川の水は、いたち川に合流し、神通川に注がれていますが、実は護国神社の裏手にある「松川水門」でも神通川に放流することが可能で、「松川水門」の「松川制水門」を閉めることにより、中心部の松川に入る流量を調節することができます。ただし、大雨で神通川の水位が上昇した場合、神通川の水が松川へ逆流してくるため、「松川放水門」が閉じられ、松川の水を神通川へ放流することができなくなります。この時、松川上流からの流量も多い場合、「松川制水門」を閉めて中心部の松川に入る量を減らす必要がありますが、上流から「松川水門」までの間に貯められる水の量は限られています。このリスクを緩和するため、上流の布瀬公園の芝生広場に調整池として機能を持たせ、周辺に浸水被害が起きにくくなっています。

※今年の春は、能登半島地震の護岸復旧工事のために壊された固定堰が仮復旧され、例年より水位が高く、例年とは異なる運用となりました。

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