Vol.8 船長の舞台裏と、富山の糀文化
続く2021年は、この年も緊急事態宣言が出されるなど緊迫した状況が繰り返され、イベント開催延期を余儀なくされたり、1回の定員をごく少人数にするなど、対応に追われた一年でした。開催したのは、【バックヤードクルーズ:運航の舞台裏を解説&操舵席体験!】と【新村こうじみそ商店新村さんによる、糀王国とやまの甘酒クルーズ】の2企画でした。バックヤードクルーズは、私が操船を始めたことで、船長さんたちの舞台裏を目の当たりにしたことがきっかけでした。船長さんたちの表舞台はとてもかっこ良くて華々しいお仕事ですが、お客様をお乗せしていない時の仕事は3Kです。船のメンテナンスや川と乗り場の掃除など、肉体労働ばかり。また、松川にはマリーナがないので、この船をどうやって運んできたのか、船の修理の時はどうするのか?などなど、私が操船中に船を壊してしまったらどうなる?いくらかかる?という現実に差し迫る緊張感を感じてこその発案でもありました(笑)。こういう舞台裏のお話を店長さんから解説して頂きました。それと、操船してみてわかったこと、操舵席は船体中央に配置されていて、お客様よりも高い位置にありますので、実は船上で一番眺めの良い特等席なのです。ここからの景色もぜひ観て頂きたいと思い、運航コースの途中でアンカーをおろし、お客様に操舵席に立って景色を楽しんで頂いたり、記念撮影もしました。そして、基本のロープワーク「もやい結び」をして締め括りました。
【糀王国とやまの甘酒クルーズ】は、弊誌月刊グッドラックとやまの発酵食レシピコーナー《一回食べてみられま!》で長年お世話になっている、新村こうじみそ商店さんの新村弘之社長様に来て頂いて、新村さんの解説を聴きながら、船上で美味しい甘酒を味わおうと企画しました。富山は人口比で全国一、糀屋さんの多い県。新村さんからいつも、糀文化の素晴らしさを教えて頂いてきた私としては、ぜひイベントにしたいと思ったのです。あいにくの不安定なお天気で、クルーズを、茶屋内での新村さんのワークショップに振り替えたのですが、でもそのおかげで富山の発酵食のお話をガッツリ聴くことができ、学んで食べて飲んで、という濃い時間となりました。
月刊グッドラックとやま編集部スタッフ。桜終了後の松川の魅力も知って頂きたいと《まちなか水辺遊び》と題して、2018年からさまざまなイベントや企画便を開催。富山地域通訳案内士。富山市在住歴20年。1児の母。