・ 2026“水の都とやま”推進協議会パネルディスカッション〈前編〉・松川べり一帯を「富山セントラルリバーパーク」に!!

・ 2026“水の都とやま”推進協議会パネルディスカッション〈前編〉・
松川べり一帯を「富山セントラルリバーパーク」に!!
さる5月17日㈰、“水の都とやま”推進協議会では有識者の皆様方にご参加いただき、パネルディスカッションを開催しました。皆様から頂戴した貴重なご提言の数々を、全2回にわたり掲載いたします。

◇パネラー 〈順不同〉
酒井信久 さん
富山県建設業協会
富山支部専務理事
元富山県富山土木センター所長
小林 誠 さん
富山日野自動車㈱
代表取締役社長
池田安隆 さん
㈱池田屋安兵衛商店
代表取締役社長
”水の都とやま”推進協議会監事
小竹和博 さん
サンヨウ㈱
代表取締役社長
”水の都とやま”推進協議会理事
花井千赴 さん
㈱ユニテ
代表取締役社長
”水の都とやま”推進協議会理事
・コーディネーター/
中村孝一
(グッドラックとやま発行人、”水の都とやま”推進協議会理事長)
中村 〝水の都とやま〟をどのように発展させていくか、ということで、今回も皆様のご意見をいただきたいと思っております。アメリカのテキサス州にある、全米ナンバーワンの人気都市・サンアントニオをいろいろ参考にさせていただいてますが、1985年にサンアントニオの国際局長が富山市に姉妹提携の申し込みに来られたそうです。富山市が街の真ん中に川が流れている、よく似た街であることが理由だったそうですが、あいにく市長が入院中で、その話は進まなかったんですね。
そこで、第2候補の熊本市に行かれたところ、大歓迎で姉妹提携が決まったそうです。この話をお聞きしてもったいないなと思ったのですが、当時の中沖知事も残念がっておられました。
この協議会でもサンアントニオのようにできたらという高い理想は掲げているんですが、それがなかなか実現しないからダメということはまったくないと思います。桜の時期だけではなく、四季を通じて楽しめる空間になるよう、諦めずに根気良く取り組んでいくことが必要ではないでしょうか。また、現時点での美しさに磨きをかけていくことも大事なことかと思います。
どうぞ皆様方から、ご意見をよろしくお願いいたします。
国の「かわまちづくり計画」支援制度を活かそう!
酒井 行政経験者として申し上げますと、日本は日本国、富山県、富山市、という行政機構になっています。国は地方からの声を元に施策をどんどん作ってくれて、国交省さんとよくお付き合いしましたけれども、本当に様々な話を聞いてくれると感じました。
県と市の場合、同じ法律に基づく地方自治体で、やっていることが共通する部分も多いのですが、県は県内の広域調整を担い、市は所管するところの行政全般を担うという役割があります。
今回、この「松川」がどういう位置づけになるかというと、松川そのものは一級河川であり施設管理者は県となります。管理の主体は県ですが、その施策や行政的な実施にあたっては、やはり市町村と連携してやるべきとなります。
たとえば、松川の利用について主体的に考えて提言するとなると、やはり県と市がしっかり連携して、それぞれの役割を担わなければならない。先ほどのサンアントニオ市は観光面で大きな効果をあげているようですが、仮に松川一帯がそうなった場合、市も恩恵を享受しますから、この松川のあり方をそういった面から考えていく役割は市にもありますので、市と県がそれぞれの役割のなかでお互い協力することはとても大切と思います。
国では、市が河川の中で賑わいを創出する事業をやりたいとして、河川管理者としっかり連携して計画を立てた場合、そのような事業を支援するといった制度も用意してくれています。
県と市が、より一層連携協力してこういった制度を活用していくことも考えられますから、そのためのきっかけづくりに幅広く取り組むことも必要と思います。

▲米・サンアントニオのリバーウォーク。
中心部の松川沿いを重点的に発展させる
小林 市民目線から申し上げますと、まず松川べりはジョギングするには最高の環境だと思います。昨日、皆さんもご存知の通り、ランナーの聖地となっている皇居の周りをタクシーで走りました。
車通りが激しい場所をよく走ってるなと思いましたが、タクシーの運転手さんによると、八王子にある某大学の駅伝部がわざわざここへ来てトレーニングをしてるそうです。身体のためには八王子の自然の中で走ったほうがいいんじゃないかと思いますが。
富山でも旧8号線で多くのランナーを見かけますが、皇居の周りと一緒で、トレーニングする環境としてあまりいいとは思えません。一方、松川べりは緑が多く、トレーニングするにはとてもいい場所ではと思うわけです。
そこで気になるのが、草がぼうぼうになっていることです。最近、特に熊騒動でいろいろ話題になってますが、富山の場合は海沿いの街にも熊が出たりします。当然、熊は神通川を伝って山から降りて来ており、松川の方にいてもおかしくないなと。熊は草むらに隠れているようなので、まずは草の伐採をお願いしたいと思います。
また、春の満開の桜は非常にきれいですが、より美しく見せるためには、人間の髪の毛と同じように「剪定して整えること」が大切だと思います。ぜひ行政の方で、定期的な手入れを行っていただければと思います。
もう一つ、まちづくり目線で申し上げますと、街の中心部を流れている川ということで、世界的にも数少ない環境です。とはいえ、松川沿いのすべてを発展させるのは難しいと思いますので、街の中心部の松川沿いをいかに発展させるかが大事になります。例えばその場所にネーミングをつけるというのもいいのではないでしょうか。
ニューヨークのセントラルパークのように、それをもじって、「富山セントラルリバーパーク」という名前をつけると、最近は外国の観光客も多い状況ですし、わかりやすくて非常にいいのかなと思っております。
水辺を活かした街なかの魅力づくりを
池田 私たちが観光バス誘致を始めて、もう31年になります。以前は街中に観光バスが走ってる光景はまったく見たことがなく、1台も来なかったんですが、とにかくやってみようとやり始めました。市役所の方にも相談に行ったんですが、十分な対応はしていただけず。宇奈月の旅館の方や市内の旅行会社の方などに聞きながらでした。そんな中で年間10万人ぐらいの観光客の方を呼ぶことができたんです。
けれど次第に団体旅行自体が減り、そこへ北陸新幹線が来たと。この新幹線効果が非常に大きく、今まで団体の受け入れが主体でしたが、路面電車も北側まで行き、観光客は新幹線を降りて、電車で西町まで来るというパターンが非常に多くなりました。人の流れが変わったところに、コロナや地震があり、観光の怖さを実感していましたが、昨年は『ニューヨークタイムズ』に紹介され、また一気に人の流れがやってきたと感じております。やはり、この街なかの魅力を高めつつ、その中で松川遊覧船もぜひ活性化してほしいなと切に願っております。
先日、日経に「豊かな水辺を憩いの場に」ということで広島市の取り組みが掲載されていました。国土交通省が川辺を生かした地域活性化の取り組み「かわまちづくり」を支援しているとの内容で、2009年度に始めて現在は全国で303カ所の計画が登録されていると。治水が中心だった川を賑わいづくりに活用する動きが全国で広がっているということで載っておりました。
一昨年、広島へ行ってきましたが、中国地方の中心とはいうものの関西と九州・福岡に吸い取られている現状があり、交流人口を増やすということで頑張っておられるようです。川辺のカフェも賑わっていましたが、あのようなダイナミックな雰囲気で出店し、人が人を呼んでいく光景を目の当たりにして、松川べりももう一工夫できないかなと。駅北まで松川を伸ばすことができないのであれば、松川茶屋がある城址公園側をもう少し広げ、松川と一体になった「まちづくり」ができないかなと期待しております。
松川を活かし”水の都”のシンボルを
小竹 この会の目的は、幅広く「水の都とやま」のイメージを発信することではないかと思いますが、そのためにはこのイメージをどのように定着させるかということが大切だと思います。松川がいたち川、赤江川と合流し、神通川に流れ込むという川の流れを見ても、富山市は非常に水の街だとは思いますが、住民や県外、海外の人たちがそのイメージを持っておられるかと言うと弱いところがあると思います。ですから、これをテーマに街を活性化しようと思うと、もっと工夫が必要じゃないかといつも考えています。
では何ができるか、ということになりますが、すべてお金をかけてやるとなると非常に大変なことですから、市民の手を借りて美化活動をするということも必要かと思います。また、大きく人口が減少している今、護岸堤を変えるなどの大工事ができるかと言えば疑問なところがあると思います。
私は母親から、富山大空襲の時に松川に飛び込んで亡くなられた方もたくさんいるという話をよく聞かされましたが、せっかく水があっても悲惨なことが起こっているということも、歴史の一つの事実です。今後、川をうまく利用して、子どもたちのためにもいいまちづくりを進めることは、非常に大事なことですが、現在の立ち位置をしっかり見極めることも必要かと思います。
金沢の駅を降りるとものすごい人で、それに比べると、やはり富山はまだマイナーなイメージがあります。それを何で挽回するかということですが、〝水の都〟ということであれば、限られた予算の中でどれだけできるかということもありますので、もっといろんな人の意見を聞き、集約して考えていくのが、私たちの役割じゃないだろうかと思います。

▲富山市中心部のオアシス・松川を活かすことは、街の求心力の創出につながる。
東京都が日本橋で”水の都”構想を推進
花井 先日、東京で日本橋のナイトクルーズに乗ってきました。高速道路、首都高の下をくぐって、お台場ぐらいまでの約1時間コースですが、夜景が綺麗なんですね。たぶん昼間に行くと、草ぼうぼうどころか、ヘドロやいろんな汚いものも見えるのでしょうが。フォトスポットとしてスカイツリーが見える所もあったりと様々なコースがあり、予約もなかなか取れないほど大人気のようです。
そこでお話を聞いていますと、今、日本橋は〝水の都〟を目指していると。どこかで聞いたフレーズだなと思いましたが、リバーウォークを計画中なんだそうです。東京オリンピックをめがけて、首都高を3年間で作ったそうですが、今度は2040年までに地下にトンネルを作り、日本橋の川のほとりをリバーウォークのようにするそうです。川のほとりに店舗は全部持ってきて、日本橋の上には何もない状態になるんだと聞きました。
ホームページでは計画やロードマップがすでに発表されておりましたので、たぶん2040年頃には、すべて計画通りになっていくのではと思います。
私は中村さんから、何十年も前からサンアントニオの素晴らしい話を聞いて、いつできるのかなと思いつつ、もう何十年も経っています。未だに草ぼうぼうという状態も変わりませんし……。
私も会社の経営者ですので、新しい新規事業は、自ら計画して予算立てをし、収益性を計算しています。失敗も多くありますが、それを自分の事業として、成立していくようにしていく必要があるわけです。
松川の場合もその観点で、運営や収益性も考慮して投資していかねば、一向に進まないと思います。それが富山市なのか県なのか、よくわかりませんが、やはり予算をつけて収益が上がるような仕組みを作り、大掛かりに改装していかないと、賑わいは生まれないと思います。
最近、子どもが結婚して富山へよく来るのですが、妻が富山案内をする際に立山や新湊大橋には連れて行くけれど、松川という話は一向に出てこない。知らない人はまったく知らないし、桜シーズン以外で松川へ行くことはほぼないような気がします。
やはり、行政が中心になってもっと発信していかないと、何も観光資源として活用できていかないと思いますので。観光資源という考え方を持って、行政の方で中心に取り組んでいただきたいなと思います。
中村 皆さま貴重なご意見、誠にありがとうございました。
(次号へ続く)























