リバーフロントを活かした街づくりを


▲世界で最も美しい街ブルージュ。遊覧船で川めぐりするために世界中から観光客がおしよせる。

 

2002年8月号で、当時、自民党富山県連幹事長だった大上紀美雄氏は、松川を中心に美しい街をつくることを提言。

 

大上 紀美雄 さん
1940年2月11日、富山市生まれ。早稲田大学法学部卒。元県議会議員(5期20年)。議長も務めた。元自民党県連幹事長。

船から見る景色が美しい
ベルギーのブルージュ

 先日、ベルギーのブルージュに行って船に乗ったんですけど、船遊びをする仕組みをうまく作っていました。もともと歴史のある街ですが河畔の古い建物を修復して、遊覧船で観光客が楽しめるんです。船から見る景色は美しく、「どうしても観てきなさい」と言われる程、北ヨーロッパで一番の名所になっています。


城址公園の整備に合わせお堀を復元できないか

 城址公園もようやく修復されることになりましたが、西側にあったお堀を復元して松川と一体化し、城下町・富山の歴史を甦らせたらいかがでしょう。と同時に、水の都・富山のシンボルである、松川の水質を上げるため、神通川の水を笹津からサイフォン方式を導入して、松川にいれて浄化するといいですね。松川が美しくなれば、街も生まれ変わりますよ。


中心市街地の活性化の中に松川の環境整備をしっかり位置付ける

 現在、富山市の最大の課題は中心市街地の活性化ですが、その全体像の中での松川の整備を考えねばなりません。松川は中心市街地のど真ん中を流れているのに、街と一体となった計画がなされていません。
 中心市街地の活性化には、砂漠の中のオアシスのように、街に潤いと安らぎを与える川を再生し、人々が集い賑わう川にすることが、大変重要です。中心市街地の活性化の中に、松川の環境整備をしっかり位置付ける。歴史的にも、神通川がここを流れていたことで富山城が出き、城下町の誕生にとつながっていくわけで、この川は富山発祥の地なんですね。まさに神が通って生まれたとも言える私達への大切な贈り物、それが現在の松川であり、いたち川です。ですからそれにふさわしく、美しくして、〝街のシンボルとしての川〟に再生し、子孫に残す責任が、私たちにはあるのです。


松川再生懇話会をスタートさせよう

 1991年11月、市民の熱意で城址公園整備懇話会が誕生したように、今度は松川自体を美しくするための懇話会をグッドラックで立ち上げてもらいたいですね(2017年5月、〝水の都とやま〟推進協議会が誕生し、あゆみ始めた)。市民はじめ、河川の専門家にも参加してもらって、松川再生計画を話し合っていけば、中心街のオアシスとして甦らせることも、夢ではないですね。神通川の潤いと賑わいを皆で取り戻しましょう。

 

中心市街地の活性化の中に、松川の環境整備をしっかり位置付けるべきです

 

 

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