Vol.2 ミヒャエルエンデの『モモ』

中村志保〈Profile〉

 

月刊グッドラックとやま編集部スタッフ。桜終了後の松川の魅力も知って頂きたいと《まちなか水辺遊び》と題して、2018年からさまざまなイベントや企画便を開催。富山市在住歴20年。1児の母。

 言わずと知れた、児童書の代表作の一つです。小学生の時に母から与えてもらった、大好きな本です。この中に、廃墟となった野外円形劇場で、子供たちが想像力を働かせて航海ごっこをして楽しむ場面が登場します。子供たちにとっては、いつでもどこでも壮大なスケールの遊び場になるということ。自分もそうだったな〜と。ジャングルジムで登り降りしながら友達とその場を何かに見立てて想像して遊びました。《まちなか水辺遊び》で何を企画するかを考える時に、いつもモモのそのシーンが原動力になります。桜がなければ素晴らしくない、というのは違います。ここにはもう既に遊覧運航コースとして、赤い素敵な船がある、並木がある、乗り場もカフェもテラスもある。桜がない時は、想像力を働かせて遊び方を考えればいいんだ、と。それがいつも根っこにあります。松川は海とは違って、波が発生しません。また、前回でも書いたように川自体の幅は10m。水深は場所によって差はありますが、平均的には1m以下です。海の遊覧などで水深20mですよ〜、と説明があると緊張感が走るものですが、松川では川底も見えているし、気持ちよさそうに泳ぐ魚も見えています。もちろん川を侮ってはなりませんが、安全面に留意していれば、波と揺れのない遊覧船は、言い方を変えると、水上の移動部屋・移動式川床とも言えないでしょうか♪ そして、移動舞台でもあるわけです。そう思ったらなんでもできそうな気がしてきました。
 ではまず何をしようか。当初、私がこだわったのは、水上と陸上の両方を楽しんでいただける企画にしたいということでした。船に乗りに来てくださった方は、遊覧の素敵さは体感していただける。茶屋を利用してくださった方は、水辺で寛ぐ素敵さは体感していただける。イベントでは、両方をセットにした企画にしておけば両方の素敵さを実感して帰っていただける、と。そして、最初に誕生したのが【親子企画:船上英会話:船から観た景色を英語で言ってみよう!】でした。

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