【其ノ百四十三】春三月花盛り
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今年も少し早めに桜が満開となり、四月の初めには桜が散り始めようとしていた。例年のごとく「チンドンコンクール」のイベントが開催される。小さな頃は、それはそれは賑やかで、コンテストが終わってチンドンマンがここぞとばかりに着飾って街を練り歩く。公会堂を皮切りに、今の平和通りを東へと下り中教院で折り返すと、中央通りから総曲輪通り、大手町通りへと進む。これを追いかけるように歩き、それはごった返した人混みの中を、付いて回った。一通りの賑わいが過ぎると、人混みはそれぞれの笑顔を浮かべて商店やデパートの中へと消えてゆく。
おいらは中央通りの映画館にて「小さな恋のメロディー」や「プレスリー・イン・ハワイ」などなど洋画を見てはワクワクしたまま、終演後には総曲輪通りの裏通りにあったジャズ喫茶へと。紫煙漂うお店で大人のふりをして、判ったように音楽を聴きながら珈琲を飲んでいた。
一人でいることが好きな自分は、そんなことがご満悦で西町で生まれた街の子の楽しみとしていた。ステイホームをしながらこの記事が出る頃には、解除されていることを祈って、夢を見た。
いやはや… まいどはや