浸水対策と郊外の拠点づくり等を進めたい
富山市副市長
美濃部 雄人 さん
今年7月から、富山市副市長に就任した美濃部さん。雄人(ゆうじん)という名前は、新聞記者だった父がアメリカ・オレゴン州ユージーン市への留学から帰ってきて生まれたからだそう。京大大学院を卒業後、都市計画の専門家として、さまざまな課題に対処してきた。「人の欲望を科学的によく考えて調整していく」がモットー。これからの抱負などを聞いた。
「大学の時は、河川水文学といって、雨がどれだけ降ったら地面にどれだけしみこむか、どれだけ蒸発するか、実際に資源として使える水はどれだけになるか。そんな研究をやってました」と振り返る。
これまで、「太田川」と縁が深いそう。
「最初、静岡県庁の河川課で河川計画をしていた川の一つに太田川がありました。その後、東海市で連続立体交差事業を行なった時の駅の名前が太田川でした。そして、広島に行くと、有名な太田川。まさか、富山にはないだろうと思ったらありました」とにっこり。
この道を選んだきっかけは、「日頃からよく目にしていた道路の渋滞や、1970年頃にテレビでよく言われていた〝資源がなくなり、成長の限界を迎える〟という問題を解決するにはどうしたらよいか」という思いから。
これまでで一番苦労したのは、復興庁にいた頃。
「災害公営住宅とか、高台移転とか、いろいろ行なっていたのですが、当初は国が100%負担でしたので、細かいところまで補助対象にしてほしいという要望が地元からどんどん入ってきまして、それをさばくのが大変でした。その後、関連事業だけは地元の負担が入る制度に変わりました」
今回、副市長となり、「富山市の浸水対策と、(コンパクトシティの)〝串と団子〟の、郊外の団子(拠点)づくり等を進めていきたい」と抱負をのべる。
東京に妻と子どもを残し、単身赴任中。
みのべ・ゆうじん●
1962(昭和37)年10月12日、京都市北区生まれ。1987(昭和62)年3月、京都大学大学院工学研究科交通土木工学専攻修了。同年4月、建設省採用、静岡県庁へ。建設省都市局都市計画課、同四国地方建設局、福井県都市計画課長、国交省都市・地域整備局、同北海道開発局、東海旅客鉄道㈱ 、東海市副市長、復興庁統括官付参事官、静岡市副市長、国交省都市局都市安全課長、同中国地方整備局 副局長などを経て、2022(令和4)年6月、国交省退職。同年7月、富山市副市長。 ○好きな言葉…「反省するけど、後悔しない」 ○一番大切にしていること…「正直に生きる」 ○尊敬する人…リチャード・ドーキンス ○趣味…ジョギング、マニュアル車、音楽鑑賞 「谷村有美さんの歌を聴くのが好きです」 ○好きな学者…宇沢弘文氏