Vol.7 「三密を避ける」「自粛」の中で

 2020年、コロナ禍でスポーツ界では無観客試合が行われるようになっていました。5月に、北日本新聞さんのコラム【万機公論】で執筆の機会を頂き〝無乗船客着物クルーズをできないか〟と書かせて頂いてほどなく、6月から世の中が動き出しました。茶屋も遊覧船も営業を再開したので、操船練習を開始。超少人数の企画ならできそうということで、生田流正派師範・高崎英里さんのお箏の生演奏と、皇風煎茶禮式師範・石黒美千子さんの船上野点と、私の操船で【和のおもてなし便】を7月と10月に開催しました。10月の開催時には、茶屋の中でお箏のワークショップ(お箏の説明、お箏プチ体験)も楽しんで頂きました。〝お客様も操舵手も全員お着物!〟という当初のイメージとは異なる形にはなったものの、船とお着物・お箏・お茶という、日本文化が揃った和の光景を作ることができたイベントとなりました。
 10月には【オリーブオイルソムリエYUIさんのブランチクルーズ】を開催。前回は朝食でしたが、今回はブランチタイムにしました。船上ではウェルカムドリンクと前菜のケークサレを、茶屋ではブランチBOXを召し上がって頂きました。
 11月には、【大人のための絵本クルーズ】を開催しました。絵本専門士の方からお船の絵本を教えて頂いたことがきっかけで、この企画のアイデアが浮かびました。松川(旧神通川)は富山城の天然のお堀でしたので、歴史と文化の宝庫です。松川をキーワードに広がる!と思いました。富山市立図書館本館司書・宮崎由佳さんに「水・船・川・松川・富山城址・松川の自然」などのキーワードで大人向けの絵本の選書をお願いし、朗読は富山テレビの矢野美沙アナウンサーが担当して下さいました。矢野さんが船上で司会進行と4冊の朗読をして下さり、後半は茶屋にて、宮崎さん選書の約20冊を皆さんに自由にご覧頂いて、カフェと読書を楽しむ時間としました。
 どの企画も松川の水上(船)の良さと、陸上(水辺)の良さを味わって頂ける、船と茶屋のコンビネーション企画で開催することができました。

 

中村志保〈Profile〉

 

月刊グッドラックとやま編集部スタッフ。桜終了後の松川の魅力も知って頂きたいと《まちなか水辺遊び》と題して、2018年からさまざまなイベントや企画便を開催。富山地域通訳案内士。富山市在住歴20年。1児の母。

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