自然に商品が売れる会社にしたい

YKK株式会社 代表取締役 社長 大谷 裕明 さん
Hiroaki Otani

 30年間という長きに渡り、中国での体制作りに献身してきた大谷社長。入社後、日本で受発注業務を約2年経験した後、赴任した香港でマーケティングを担当するも、営業は初めてのため全てが手探り。ビジネスマナーは香港華僑を通じて学んでいった。日本の「腹芸」は通じない、イエス・ノーをはっきり言う、自己主張をしっかりする。中国での流儀を一つ一つ自らの体験で学んだ。
 2005年、深圳社立ち上げ時、社長に抜擢される。しかし、経営の経験もない、経営の教育も受けていない…、瞬く間に経営に行き詰まってしまう。「そんな時、原点に戻り、中国での創業の歴史を思い出しました。吉田会長や、西崎元副会長が当時、中央政府とやりとりをした内容を私は香港で議事録に収めていました。欧米や日本企業が合弁でないと中国進出できなかったのに、YKKだけが独資※を認められました。〝なぜ?〟…やはり、社会への貢献の想い、YKKの『善の巡環』の精神が伝わったからなんだと。我々が事業をする目的は〝社会貢献〟です。この原点を、しつこいなと言われる位、毎月毎月みなに言い続けました。そのうち幹部社員の視点が変化し始め、社員のモチベーションが上がり、目的意識が根付いて、変化が生まれたのです」と当時の窮地を振り返る。

YKK 大谷裕明社長

 YKKグループは今や4万4千人の社員を世界中に抱えている。昇格試験の際は必ず『善の巡環』と経営理念をどれだけ理解しているか小論文を書いてもらい、技術・技能だけではない、会社の理念を理解している人物を登用することにしている。
 「良い商品を、お客様の希望する値段で、希望する時期に、どんどん開発・製造・供給できるようになれば…。今やeコマースにより、ありとあらゆるツールで商品が閲覧・購買できる時代。より少ない販売員でもっとものが売れるはずです。夢は、YKKをそういう素晴らしい会社にすることです」

※独資…100%外国資本の会社

 

プロフィール ●
1959年(昭和34年)11月27日、兵庫県生まれ。O型。甲南大学経済学部経済学科卒。1982年(昭和57年)入社。1984年 YKK香港社。2003年 YKK中国社。2005年 YKK深圳社社長。2011年 上海YKKジッパー社社長。2014年4月 副社長・ファスニング事業本部長。2014年6年 取締役 副社長 ファスニング事業本部長。2017年4月 代表取締役社長に就任。
「趣味はネイチャーアクアリウムですが、日本に戻って来てからまだ再開できていません。中国に30年いましたので、やっと今夏、家内と娘を黒部に案内できました。海外で仕事をしたいという私の想いを理解し、娘2人を育てあげてくれた妻には本当に頭が上がらないです」

 

Q&A

●健康法は
 ウォーキング。休日は2万歩、90分で約10km歩きます

●愛読書は?
 マーケティング関係、戦国武将、近代史、政治家伝記など何でも読みますが、ハッピーエンドが好きなので、徳川家康関係は何でも読んでしまいます。あとは田中角栄ですね

●座右の銘
 「得意淡然、失意泰然」
 うまくいった時は感謝の心。うまく行かなかった時、どっしりと構えて「大丈夫だ!」という気構えで居る

●生まれ変わったら

 野球選手になりたい

●出身地兵庫の好きなところ
 両親の出身地 出石。幼い頃、豊かな大自然の中でたくさん遊びました。風情ある城下町です

●一番大切にしているもの
 愚直なまでの誠実さ

●ご自身の性格は
 非常に短気です
 自制しています(笑)

●ご親友は
 中国の縫製メーカー社長さんです。私が上海に行く時は毎回2時間かけて会いに来て下さる


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