リバーウォーク実現の成否は、首長の決意と、市民のコンセンサスづくり

富山県信用保証協会 会長
澤合 敏博 さん

 森林公園のような川べりの遊歩道沿いに、レストランやホテル、お店が並んで、世界中からたくさんの人が集まるアメリカ・サンアントニオ市のリバーウォーク。2005年に訪れ、再び今年7月に訪問される澤合さんにお話を伺った。

 松川べりをサンアントニオ・リバーウォークに匹敵するような魅力ある空間にするためにはクリアすべき課題はいろいろある。その一つが川沿いの道路の公園化であると澤合さん。
 「まず設置者がその気にならないといけません。市道であれば市ですね。そして、県とか公安委員会とか、交通関係の団体、運輸関係の業界の皆さんの意見を聞くと同時に、こういうことをするためにここの道路をなくしましょうという市民のコンセンサスを作らなければならないでしょう。少し不便になるけど、すてきな公園づくりをみんなに理解してもらうことです。これからは、歩いて暮らせる町をつくろうという時代ですしね」
 この構想(夢の神通回廊プロジェクト)の実現は、5年、10年ではできないと予想する。
 「着工しても30年程かかるんじゃないでしょうか。もっとかかるかもしれないけど、早く構想を立てて、第一期はここをやろうかとか長期的にね。樹木は時間がかかるんで、はやく植えていかないとね」

 木を植える前に、まず計画をしっかり決める必要がある。松川の水際の遊歩道を松川と一緒に2m程下げることができれば、地上の喧噪を離れた静寂な別世界が生まれる。松川沿いの道路も同じように下げられれば、狭さは感じられないはずだ。
 「技術的にはなんら問題はありません。新幹線を通すようなあれだけの意気ごみといろいろお金を工面すれば、必ずできます。あとは、知事や市長の決意だけです」 

さわい・としひろ●
1938年(昭和13年)7月12日、高岡市生まれ。 昭和37年3月 東北大学農学部卒業。昭和37年4月 富山県職員に採用。昭和57年4月 生活環境部婦人青少年課長。昭和60年10月 知事公室秘書課長。平成4年11月 東京事務所長。平成7年4月 農林水産部長。平成10年7月 富山県公営企業管理者。平成11年7月 富山県出納長。平成17年3月 富山県出納長退任。平成17年4月 富山県信用保証協会会長に就任、現在に至る。

 

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