ベン・ビラフロアのパンチはすごかった!

日本ボクシングコミッション公認
日本プロボクシング協会加盟

トヤマボクシングジム
会長 桃井 悟 さん

 1974年3月に富山市体育館(当時)で開催されたWBA世界ジュニアライト級タイトルマッチ〝ベン・ビラフロアVSアポロ嘉男 戦〟で、ベン側のセコンド(介添人)としてその場にいた桃井さん。小誌発行人の中村孝一は、カトリック富山教会でベン・ビラフロアと出会い、思いがけず交流が始まり、その後、その6日間の交流をまとめた「はばたけ友情の翼」を出版した。桃井さんに当時のことを振り返ってもらった。

 

 「まぁすごいマッチで、当たったら殺されるんじゃないか、というぐらい、ベンがブンブンとパンチを振り回していて。空振りした時の音がブーンと聞こえるんです。ものすごい勢いでしたね。今でも鮮明に覚えています」
 試合はアポロが必死に粘り、判定で引き分けになった。
 「ベンが倒すだろうと思ったけど、アポロが足を使ってクリンチ(相手の体に抱きついたりして相手の攻撃を止める)しながら粘って最後までいった。一発当てられたら終わりだから、逃げ回るしかない。あれは完全にアポロは負けていましたね」
 ベンのパンチ力のすごさを伝えるエピソードも。
 「今の富山市総合体育館の中にもボクシング室がありますが、当時の富山市体育館の中にもボクシングジムがあったんです。そこで、私の知人がベンのスパーリングパートナーをやっていたんですが、練習中にベンにあばら骨を折られたんです。新聞にも出ていましたよ」
 桃井さんは選手を経て、現在、プロボクサーも養成するジムを運営している。興行やイベントもたびたび行ってきた。
 「プロのジムですから、結局は選手を出さないと駄目なんですよ。プロは今、1人だけです。本当は10人、最低でも5人欲しい。そしたらなんとか興行できますから。都会では女子のプロや世界チャンピオンもいます。富山は保守的ですからプロになろうという人がなかなかいないんですね」

 

もものい・さとる ●
1954年(昭和29年)12月5日生まれ。1970年、東京田園調布市アベジムに入会。1972年、父親の病気で富山へ帰る。1973年、富山に帰りジム開設。1974年、プロテスト合格、9月にデビュー戦 引き分け。1975年、全日本新人王戦出場(新人王1位)。1976年、独立、モモノイ工芸社、創設。1984年、モモノイボクシングジム 設立。1994年、トヤマボクシングジム設立。1996年、第1弾 チャンピオン挑戦ロード。2018年 チャンピオン挑戦ロード 第19弾。現在に至る。㈲テービージー代表も務める。
○趣味…金魚を育てること。「20年程前からやっています」

 

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