【其ノ百七十八】先人の想いを胸に

柳家さん生・・・昭和32年、富山市西町に生まれる。上野鈴本演芸場等、寄席定席に出演のかたわら、都内各所にて勉強会、独演会を精力的に開催、活躍中。

 坂本龍一さんが亡くなった。死亡のニュースを耳にする度に、昭和が遠くなっていく感じを強くする。自分が歳を重ねたという事でしょう。坂本さんの死が色々と大きく扱われるのは音楽の世界だけでなく、自然の営みに対する提言などを晩年ハッキリとした意志を持って示したことによると思う。最後の提言では、東京の明治神宮外苑と言われる銀杏並木などテレビなどで一度は目にしたことがあると思うが、再開発で外苑などの木々が伐採されることへの提言です。明治神宮好きの私からみるとほんとにとんでもないことだ。元は明治天皇のご逝去を悼み、全国の人たちの好意で木々を植え、静かな眠りで冥福を祈るために作り、百年近い時を経て今のような杜を作り上げた。先人の素晴らしさを感じる場所である。何年何百年をかけなければできないものを自分たちの都合で伐採するとは、本当に古の人々の心を踏み躙るようなものです。ことほど都会に限らず、富山でも先人が作り上げたものをいとも容易く変えることなどないように願いたい。再開発のもと、街並みをマンションなどのビル群にしていくことが本当に再開発なんだろうか。是非是非考えてもらいたいです。
いやはや まいどはや

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