がめ川(富山市)
常西合口用水から流杉用水、経堂用水を経て富岩運河に注ぐ
富岩運河の中島閘門から右岸側を北に向かって歩いていくと、国道8号線の高架をくぐってすぐ、右手から小さな川が流れ込んでいる。この川は〝がめ川〟と名付けられているが、名前の由来は不明である。以前、富岩運河の〝がめ川〟との合流点に土砂が堆積し、矢板が設置されていて気になっていたので調べてみた。
常西用水土地改良区ホームページの「常西用水について」→「常西用水土地改良区の概要」のページにある「水路系統図」によると、〝がめ川〟は常西合口用水の常西幹線用水路から取水した「流杉用水路」が始まりで、「経堂排水路」「経堂用水路」(途中、赤江川上流の新庄排砂水路を横切る)を経て、〝がめ川〟と名前を変え、富岩運河に注いでいる。
常西合口用水は、上流の立山カルデラに膨大な土砂が残っていることから、大雨が降ると砂が混じることで知られ、2005年4月号のこのコーナーで紹介した「新庄の赤門」(小誌のWebサイトで閲覧可)は、明治32年の洪水で用水が埋まったため、翌年に排砂水路を設け、土砂を赤江川経由で神通川(当時はまだ蛇行していた。現在はいたち川)へ排出する工事の際に作られた水門である。〝がめ川〟にも大雨の際に砂が混じり、流れの緩い運河に入って堆積したと推測できる。
ちなみに、8号線の近くで行なわれている〝がめ川〟の工事は、8号線の立体交差化工事の関連で行なわれているそうだ。
▲「常西用水土地改良区水路系統図」より