Vol.15 ガラス美術館館長 土田ルリ子さん

 2023年11月、富山市ガラス美術館館長 土田ルリ子さんに来ていただいて、トークショーと万華鏡作り体験の2部構成でイベントを開催しました。ガラス美術館と松川茶屋は歩いて12分の距離。ガラス美術館から遊覧船へ、逆に遊覧船から美術館へという観光客の方が大変多いのです。ですが、地元の方はというと、キラリには入っても常設展は観たことが無いというお声をよく聞いていたもので、大人でも210円で入れる常設展は観ないともったいない!、地元の方に美術館に親近感を抱いていただけたらいいなと思い、この企画を思い立ちました。【一部】はトークショーで、ルリ子さんに1時間たっぷりとお話ししていただきました。東京生まれ・東京育ちのルリ子さん、大学卒業後は東京のサントリー美術館で28年間勤務されます。東京から出たことがなかったルリ子さんがどういうご縁からここ富山へいらっしゃったのか、東京ではどんなお仕事をされていたのか…。かなりオープンに語ってくださいまして、ルリ子さんのお人柄にも、ガラスアートの世界にも、美術館にもグッと親近感が湧きました。【二部】は、ガラスビーズで万華鏡作りです。富山ガラス工房副館長名田谷さんに相談させていただきました。茶屋で行うということは、当然ガラスの溶解をしないで済む内容となります。茶屋で組み上げて一旦工房に預けて後日受け取るという内容の製作も候補としては有りだったのですが、私としてはこの日に全て完結して完成品を持ち帰っていただきたいなと思い、万華鏡は1回で完結できるのでこれに決めました。工房所属の作家 古野伶奈さんが来てくださって、伶奈さんとルリ子さんでワークショップを進行して下さいました。贅沢な時間ですよね! 使用するガラスビーズは、工房の作家さんたちが制作されたあとの端材からできたビーズなので、高品質なガラス素材。これにもテンションが上がります。好きな色・好きな形のビーズを好みの量で入れて、唯一無二の自分だけの万華鏡ができあがる。思った以上に愛着が湧きます。伶奈さんとルリ子さんと一緒に作った特別な体験でした。
 今年1月にNew York Timesで紹介されてからルリ子さんは更にご多忙を極めておられ、茶屋に来ていただいたこのイベントはとても貴重な機会でした。

 

中村志保〈Profile〉

 

月刊グッドラックとやま編集部スタッフ。桜終了後の松川の魅力も知って頂きたいと《まちなか水辺遊び》と題して、2018年からさまざまなイベントや企画便を開催。富山地域通訳案内士。富山市在住歴20年。1児の母。

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