大正2年の聯合(れんごう)共進会と市内電車開通


▲1930(昭和5)年の地図〔「今昔マップ on the web」(©谷 謙二)〕

 大正2(1913)年4月1日、富直線(北陸本線の富山駅―直江津駅間)が開通しました。7月には神通川旧流路に、市費により「桜橋」(上流側に市内軌道専用橋を併設)が完成。9月1日には、桜橋の橋詰に市内で初めてのガス灯がともりました(現在は松川べりに復元ガス灯あり)。
 そして、この日から、富直線の開通を記念し「一府八県聯合共進会(産業の振興を図るため、産物や製品を集めて展覧し、その優劣を品評する会)」が堀川村(現在の県立富山いずみ高校の敷地)で始まりました(10月20日まで)。
 それに合わせて、富山市内で最初の市内電車が運行を開始しました(経営は富山電気軌道㈱)。富山停車場を起点として、一線は木町―荒町―西町―中野町通り―堀川共進会会場前まで。もう一線は、新富町―船頭町―県立女学校前―図書館横通り―県庁前大手通り―越前町―二番町通り―西町まで。
 ちなみに、大正元年に、現在の国際会議場のあたりに辰野金吾設計による富山市立図書館が開館しており、現在のユウタウン総曲輪駐車場あたりには富山市役所がありました(市役所は、大正9年12月に現在のANAクラウンプラザホテル富山のあたりに移転)。
 上の地図は、市内電車が開通してから17年後頃のものですが、神通川旧流路(廃川地)を渡る線路のままとなっており、現在のルートとの違いがわかり、おもしろいですね。

参考文献/『船橋向かいものがたりー愛宕の沿革』(水間直二著)、他

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