Vol.9 和菓子キットスタート

 2019年に、インバウンド向けのアクティビティとして【和菓子作り体験&クルーズ】の試験的開催をし、県内在住のインバウンド向け旅行媒体のライターさんに体験&発信して頂きました。その頃だったと思うのですが、平安堂の黒崎のぞみさんから、「富山は茶道人口が多い」と教えて頂いたのです。そんなことを全く知らなかった私。驚いてネットから調べると、社会生活基本調査で統計が出ており、このデータで自信が湧きました。和菓子は富山にとって、取ってつけた体験ではなく、実際に文化的なバックグラウンドがあるアクティビティだと。コロナ禍でさまざまなイベントが自粛を強いられる中、2021年からのぞみさんがDIYでできる和菓子作り体験キットを販売開始されていました。道具やイラスト付きの手順書が同梱されていて、自分で和菓子作りを楽しめるようになっているキットです。コロナ前までは和菓子作りの出張講座であちこち出向いておられたのですが、コロナで開催できなくなったため、のぞみさんのアイデアでのキット誕生でした。このキットを茶屋で取り扱いできたらいいな、と思いました。DIYなので講師のスケジューリングの必要もありません。また、弊社の課題解決にも一役買ってくれるキーコンテンツの一つになると思いました。遊覧船は屋根が無いので、雨天欠航になった際に、代わりのアクティビティをご提案できないこともずっと課題だったのです。代替案の一つとしてお客様にご提案できるかも、という期待の商品になります。せっかくスタートするので、松川遊覧船オリジナルのキットもあったらいいのでは?とのぞみさんと相談して、「お船と桜」「お船とカモ」「お船とアユ」「お船と紅葉」の4種が誕生しました。新サービスゆえに、定着するまでには働きかけが要ると思い、【スタッフと作ろう。和菓子推しの日】を設け、私は茶屋で待機し、ご来店になったお客様に作り方をサポートして一緒に作る機会を設けました。6月にスタートして、8月は毎週日曜日、茶屋で開催しました。意外だったのは、9歳くらいの男の子であんこ好きな子が立て続けに体験に来てくださったことです。年齢は幼稚園から70代の方まで。男女問わず楽しんで頂けることも分かってきました。また、海外からの観光客の方がキットを購入してくださって、手順書に英訳をつけることへと繋がっていきます。

 

中村志保〈Profile〉

 

月刊グッドラックとやま編集部スタッフ。桜終了後の松川の魅力も知って頂きたいと《まちなか水辺遊び》と題して、2018年からさまざまなイベントや企画便を開催。富山地域通訳案内士。富山市在住歴20年。1児の母。

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