安心・安全は安定した雇用から
富山県議会議長
上田 英俊 さん
Eishun Ueda
「たまたま、大学受験をする頃にロッキード事件の論告求刑があり、テレビ番組で『田中角栄という人は日本にとって必要か否か』というディベート番組をやってまして、必要だという人は学者の小室直樹さんだったと思いますが、必要ないというのは筑紫哲也さんでした。ちょうど受験生ですから、世の中には正解は一つしかないだろうなと思っていたところに、相反する考え方があって、〝なるほどなぁ〟と思わせる政治というものに興味を持ち始めたんです」と振り返る。
早稲田大学に入学し、雄弁会に入り、綿貫民輔氏の議員会館の事務所で3年程経験を積んだ。
「綿貫先生もそうですが、県会議員や首長さんが、一生懸命、当時の建設省や農林水産省、文部省などを回っておられる姿を見て、人のお役に立てる仕事はたくさんあるけれど、こんな仕事もあるんだな、というのが、政治家を志した一つのきっかけですね」
戦前の政治家、中野正剛を特に尊敬する。
「時代が戦争に向かって行く、また戦争の中で、昭和18年には朝日新聞に『戦時宰相論』を書いたり、当時の大政翼賛会の空気の中で、東条英機に挑んでいったというのは、これはやはり尊敬すべき点ではありますよね。最後は、残念なことに割腹自殺をしたんですけれど。勇気のある方でしたね」
これまで厚生労働行政に力を入れてきた。
「安全・安心のスタートラインというのは、私は安定した雇用から始まると思ってるんですね。雇用、働くところが安定しているから、高いか安いかは別にして、毎月安定した給料がもらえる。安定した給料があるからこそ、結婚して、家族を養うことができる。安定した家庭があるから、地域社会に溶け込んで行くことができる。安定した雇用というのは大事だなと思いますよね」
プロフィール ●
1965年(昭和40年)1月22日生まれ。入善町出身。A型。
平成元年、早稲田大学政経学部卒。長勢甚遠事務所に入り、初当選後、公設秘書として勤める。平成7年、県議会議員選挙に出馬するが556票差で涙をのむ。平成11年、初当選。平成31年、6選を果たす。令和2年3月、県議会議長に就任。
Q&A
●健康法は? 「なるべく歩くようにしています」
●座右の銘は? 『天下一人を以て興る』 「中野正剛さんが早稲田大学の大隈講堂で演説をした時のタイトルです。自ら率先してがんばりなさいよ、という意味です」
●生まれ変われるとしたら? 「生まれ変われるとしても、きっとこの道を選んだんだろうなと思います」
●出身地の好きなところ 「自然があって、水が豊かで、落ち着いて住みやすい町ですよね」
●尊敬する政治家 中野正剛、松村謙三、大平正芳、池田勇人、浅野史郎(前宮城県知事)
●好きな作家 佐高信、城山三郎、沢木耕太郎、向田邦子、つかこうへい
●好きな食べ物は? 「やっぱりお米ですね」
●ご家族 「父と母と家内とで、4人で暮らしてます」