サンアントニオ・リバーウォーク、魅力の秘密

東亜薬品株式会社
代表取締役社長

中井 敏郎 さん
Toshiro Nakai

 

 20数年前、初めてサンアントニオのリバーウォークに降り立った。


 「道路面から一歩リバーウォークへ降りると、地上とは全く違った別世界が広がっていました。川に向かってギリギリにホテルやレストラン、カフェやお店が立ち並び、河畔の木立が美しい影を落としていました」
 まるで不思議の国に迷い込んだような世界だ。楽しい語らいが続けられるカフェの横を、お客を満載した遊覧船がゆったり通り過ぎていく。
 「街の中心なのに、車の騒音もほとんど聞こえない。どうしてこんな静かな世界があるのだろう、と不思議に思ったんですが、リバーウォークは道路面より4.5メートル深くなっているんですね。この深さによってリバーウォークは地上の世界から隔離され、異空間を作り出しているんです。リバーウォークの魅力の秘密は、この峡谷のような空間の中に、川本来の自然の美しさが保たれ、一方ではカフェやレストランがつくり出す賑わい、といった、バラエティーさが作り出す雰囲気にあると思います」
 サンアントニオとの出会いは、近くのスギーンに知人が居たことや、副社長時代、テキサス大学に医薬品の見学・研修に訪れたのがきっかけ。その後も魅力にとりつかれ、何度もリバーウォークを訪れる程のロマンチスト。「20年前、サンアントニオ市から、富山市に姉妹都市の申し込みがあったのに、実現しなかったのが今も残念です」
 東亜薬品は今年創業65周年になる。グループの連結決算は170億円。
 「夢は日の丸を背負って、海外で商売すること」
 一番大事にしていること。「変化。いつも時代のニーズを的確にとらえ、変化に対応できる会社でありたい」

 

プロフィール ●
1944年10月20日生。O型。総曲輪で育ち、立教高校、立教大学と7年間東京で過ごし、東京人になるところを家業を継ぐため帰富。以来、38年世界をかける。

 

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