「ドラえもん」みたいな銀行を目指す

株式会社富山銀行 頭取
中沖 雄 さん
Yu Nakaoki

 

 「私は、富山市の舟橋北町生まれなんです。その後、県の官舎が舟橋南町だったので、松川沿いのあのあたりは生まれた場所であり、幼少期を過ごした場所でもあり、非常に思い入れがあります。高志の国文学館の芝生の庭は、昔の興銀(旧日本興業銀行)の富山支店長宅があったところですし、舟橋南町には興銀富山支店の社宅がありました。ですから、親が興銀に勤めている友人が多くて、いろんな所に連れて行ってもらったり、遊んでもらったり。校下内の町内対抗野球大会でも、監督やコーチは興銀の方がされていました。しかも、興銀富山支店のユニフォームが薄い紺色で、刺繍もしてある洒落たユニフォームだったんです。子ども心に興銀にいい印象を持っていて、就職先はどこがいいかなという時に、あの時の興銀だな、と。実際、人に会ってみてもやっぱり面白い人が多いということで、興銀に決めたという流れです」
 興銀はその後、金融再編でみずほ銀行となり、システム統合にかかわる難しい問題にも全力で取り組んだ。
 みずほ証券にいた時に、日本銀行で働いていた大学時の親友から「上司に面白い人がいる」と紹介されたのが、富山銀行の前頭取の齊藤栄吉氏で、誘われて富山銀行に入ることに。2020年5月、齊藤氏の急逝を受けて、頭取に就任した。
 「預金を集めてご融資する、という従来の基幹業務を大切にしつつ、どんな問題でも、極端な話、お客様が抱えられている課題は何でも相談に乗って解決してあげられるような会社、わかりやすく言えば、高岡市出身の藤子・F・不二雄さんの『ドラえもん』みたいな銀行を目指したいですね」
 ゴルフが趣味。
 「デスクワークが多いので、健康のためにゴルフで歩いたり、ストレス発散も兼ねてしています」
 現在、東京に家族を残し、単身赴任中。

 

 

プロフィール ●
1962(昭和37)年7月18日生まれ。中沖豊元富山県知事の次男。1986年3月、東京大学経済学部卒業。1986年4月、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。1990年8月、同行ニューヨーク支店。1991年8月、同行企業金融開発部。2002年9月、みずほ証券㈱ストラクチャードファイナンスグループ 不動産投資銀行部長、2013年4月、同社執行役員 投資銀行部門営業担当。2016年4月、同社執行役員 グローバル投資銀行部門担当。2019年3月、同社執行役員退任。2019年6月、富山銀行入行。 企業金融部長。2019年6月、同行常務取締役 企業金融部長。2020年5月、同行代表取締役頭取。現在に至る。 ◦主要業界団体歴…2020年5月、高岡銀行協会 会長。2021年5月、富山県経営者協会 監事。

 

Q&A

●座右の銘
 『運鈍根(うんどんこん)』
 「父がよく役所で使っていました。人生には運が大切、鈍感になるぐらいまで物事に集中する、最後までやり遂げる、という意味です」

●朝起きて最初にすること
 「頭をしゃきっとさせるため、ストレッチ、軽い筋トレをしています」

●一番大切にしているもの
 いろんな方とのご縁

●旅行で印象に残った街
 「ニューヨークは仕事でも行ったんですが、やっぱり刺激の多い街だなと。観光という意味では、ベニスは水の街の王様だなという感じがしますね」

●好きな音楽
 オペラ
 「澤武紀行さんと親しくさせて頂いていて、CMにも出て頂きました」

●結婚「25歳の時」

●お子さん
 長女、長男
 「31歳と29歳です」

 

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