4. 暮らす場所としての都市―都⼼居住とまちなか居住

髙栁百合子〈Profile〉

 

元・国土交通省都市局土木技官。20代で市役所に出向し、市民参画型のまちづくりに注力。長女出産後は研究所に勤務しながら博士号(工学)を取得。2018年4月に富山大学に都市デザイン学部が新設されたのを機に、准教授に着任。五福キャンパスで教壇に立ちつつも、娘の学校の先生には全く頭が上がらない。好物は富山湾のお刺身とお寿司。

 前回、20世紀に⽇本では都市⼈⼝が増えた時期にちょうど⾞の普及が進んだため、⾞の利⽤を前提とした形で、⼟地が確保されやすい郊外の新市街地へと⼈々が流出した話をしました。このように、まちの中⼼部の既存市街地から⼈⼝が流出し、相対的に⽣活環境が豊かな、新しい郊外市街地の⼈⼝が増え、その結果、⼈⼝の分布形状がドーナツのようになる現象を、ドーナツ化現象と呼びます。特に東京ではバブル期にこの現象が加速しました。そこで国は政策として、「都⼼居住」や「街なか居住」を推進し、バブルの崩壊後には、経済政策として「都市再⽣」という各種の⽀援措置を講じました。バブル崩壊後に、


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