10. 時間で区切って変身する街路空間

髙栁百合子〈Profile〉

 

元・国土交通省都市局土木技官。20代で市役所に出向し、市民参画型のまちづくりに注力。長女出産後は研究所に勤務しながら博士号(工学)を取得。2018年4月に富山大学に都市デザイン学部が新設されたのを機に、准教授に着任。五福キャンパスで教壇に立ちつつも、娘の学校の先生には全く頭が上がらない。好物は富山湾のお刺身とお寿司。

 新年、明けましておめでとうございます。皆様、年末年始はどのように過ごされましたか。コタツを囲んで団欒を楽しんだご家庭も多かったのではないでしょうか。ところでコタツは冬には大活躍しますが、他の季節には使いません。私たちは季節の移り変わりに対応して、様々な道具を収納庫から出したり入れたり、家具のレイアウトを変えたりなどして、日常的に、身の回りの空間を快適に使えるよう、工夫しながら生活をしています。1日の中でも、例えば和室ならば夜は寝室として使用しても、朝になれば布団を収納し、日中は別の用途で使うというのが、ごく普通の利用形態でしょう。つまり、一年単位、あるいは一日単位で、時間によって空間を様々にアレンジし、同じ空間を複数の目的で使うことに、私たちは普段から慣れ親しんでいるのです。
 さて、個人の居住空間だけに限らず、公園や街路などの公共空間も、


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