【其ノ百五十七】ノーと言えるのは誰?
この原稿が出る頃には、多分東京オリンピックが開催されている最中ではないかと思います。マスコミが懸命に、結果の報告と日本人選手の活躍で盛り上げようと必死になっているのでしょう。今回の騒ぎは何なのでしょう。誰一人責任とか、はっきりとした意見を言うでもなく、質問はするけど、中止を掲げたのは一部の党だけ。
今回この騒ぎで思い出したのは、元都知事の石原慎太郎さんが共作した『「NO」と言える日本人』という本です。日本人は海外の方や意見に、ノーと言えないのでは? という大前提を、はっきり言えるようになろうよというもの。そしてその元都知事が今回のオリンピック誘致を言い出し、誰が責任を取りますということもなく、だらだらと日にちが過ぎ、誰がいうともなく始まっているという。結局ノーと言える日本人はいなくて、やはりなんとなく中庸を進んでいく世界を、今も営んでいることを証明したことになるのでしょう。陰ではノーと言いながら、面と向かってノーと言えない日本人が、日本であります。でもそんな日本をノーと言えないおいらもまた、日本人なんですよね。
いやはや まいどはや