57.フランスで見る桜

ヒロコ

富山県出身。アメリカ人の旦那グレッグと、インドで出産した娘、愛子の3人家族。カナダで1年、イギリスで1年、インドで3年半、アメリカで4年、そして2012年3月からはフランスのパリに住むことになりました。

 海外で暮らしていても、外国生活が長くなっても、私自身が、やはり生粋の日本人だとな感じる桜の季節。パリはだいたい3月末から4月中旬にかけて桜が満開になります。白や、淡いピンク、濃いピンクの桜が、至る所で咲き乱れます。フランスの桜は、日本の桜とは種類が違うので、ここで純日本の桜はなかなか見られないのですが、外国に住んでると、日本の桜に似ているだけでウットリするものです。フランス人の友達は好奇心と不思議を混ぜた表情で私に聞きます。「なぜ日本人は桜を観ながらピクニックをしたりお酒を飲むのが好きなの?」 私は当たり前のように答えます。「桜が綺麗だから嬉しくなるでしょ! 心が弾み、みんなで楽しく語り合いたいでしょ」 と言うと、またまた不思議そうに、「桜は綺麗だけど、他の花も綺麗よ。なぜ桜だけ特別なの?


 フランス人も花は好きだけど、特別に花を眺めながらパーティなどしないわ」と言います。確かに文化の違いなんでしょうが、フランス人の疑問にも一理あります。なぜ、特別に桜なんでしょう? 確かにチューリップも綺麗だし、薔薇も美しい。でもお花見を楽しむのは、桜だけです。これについて初めて疑問に思った私、早速調べてみると、桜見の歴史は深く、古代神話以前に遡りました。八百万の神の中に、山や田の神「サ」神が存在し、「クラ」とは神が鎮まる座を意味し、サ神がその根元に鎮座したとされる木を「サクラ」と呼ぶようになったという事です。古代では呪術的行事が桜の下で宴として行われ、奈良時代では桜を楽しむという行事に変化し、鎌倉時代には、貴族の楽しみから、武士や町民の間にも広まり、江戸時代には庶民の娯楽として定着したそうです。それが現在にまで及んでいるようです。遥か昔から桜は日本人の心を魅了してきたのです。私達の先祖様が毎年桜が咲く時期に、桜の美しさを称えながら宴を楽しんだように、私達も桜の虜になる。これは日本人にしかわからない特殊なDNAの連鎖のような感覚なのかもしれませんね。桜を見るたびに、足を止めて見上げる私。美しさにため息が出る私。桜のように短い生涯を美しく華やかに生きようと思う私。桜の存在にただありがたく幸せになる私。日本人でよかったとしみじみ思う瞬間です。桜よ…ありがとう!

 


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