松桜閣(しょうおうかく)(黒部市)
初代県知事 国重正文の元私邸
北陸新幹線の黒部宇奈月温泉駅から約250メートルの距離にある「松桜閣」は、初代富山県知事の国重正文が、明治16年から同21年の在任中に住宅として使用した建物で、当初は上新川郡奥田村(現在の富山市奥田)に建てられていました。国重知事が東京へ転任後、かつて加賀藩山廻り役を務め、衆議院議員でもあった黒部市若栗の豪農・西田収三が購入し、明治24年に現在地に移築しました。その後、昭和6年に、天真寺が西田家より屋敷ごと購入し、当時の姿は大きく変えられていましたが、平成20年から3年間の職藝学院による修復工事で往時の素晴らしい姿が甦りました。庭園は、昭和7年に、富山市の庭師・城川久治により、近江八景の趣を取り入れた現在の姿になりました。琵琶湖を模した池に建てられた茶室「枕流亭」、大滝や小滝、曲水の小川など、富山県を代表する名園となっています。
■参考/NPO法人「松桜閣」保勝会作成のパンフレット(リンク)、他
【DATA】
住所/黒部市若栗2774番地