アメリカ・サンアントニオをリバーフロントのお手本に

川をうまく活用したリバーフロント開発の成功例

 私は、平成元年に県の青年の翼の名誉団長として、アメリカ・テキサス州にあるサンアントニオ市を視察しました。サンアントニオ市は、川をうまく活用したリバーフロント開発の成功例として世界的に有名ですが、街の中心部にはリバーウォークが作られ、川辺りには、レストラン、ホテル、コンベンションセンターが集まり賑わいをみせていました。また、遊覧船からも周囲の美しい街並みを楽しむことができました。川に面した劇場や美しい庭園、橋や照明などを効果的に使うなど、観光客をより楽しませるための多くの工夫が凝らされ、清掃や樹木の手入れ、水質の保全などの管理も行き届き、心地よい環境が保たれていました。
 「川の王国」富山県のリバーフロントを考えるうえでサンアントニオ市に学ぶことが多いと思います。特に、これからの時代には、人々の生活に「潤いと安らぎ」を与えてくれる、快適で美しい環境づくりが大変重要だと思います。
 現在の松川、いたち川、それに富岩運河の舟だまりは、神通川のあった廃川地の名残として誕生したものです。ですから、松川、いたち川、富岩運河を一体化することは、富山のまちづくりの歴史をたずねる意味においても大切だと思います。神通川本流のあった跡を一連のものとして整備することにより、富山の特色を活かした〝富山らしい〟まちづくりが可能になると考えています。松川、いたち川、富岩運河を通した、水と緑のネットワークづくりには、景観への配慮はもちろんのこと、遊び、飲食、音楽などの要素も取り入れながら、楽しくなるようにしたいと思います。《グッドラックとやま創刊20周年記念インタビューから》

 

▼リバーウォーク沿いのカフェテラス(サンアントニオ市)

 

▼木リバーウォーク沿いのホテル(上)と木漏れ日(下)

 

神通川本流のあった跡を一連のものとして整備することにより、富山の特色を活かした“富山らしい”まちづくりが可能になると考えています

 

中沖 豊 さん
1927年(昭和2年)9月16日、富山市生まれ。
昭和25年、東京大学法学部卒。地方自治省(現総務省)に入り、石川県経済部長、自治省消防庁防災救急課長、富山県総務部長、同教育長、自治省消防大学校長を歴任。
1980年(昭和55年)11月、富山県知事に就任(以来連続6期)。全国知事会副会長、日本海沿岸地帯振興連盟世話人代表などを歴任。グッドラック顧問。2004年(平成16年)11月、富山県知事を退任。

 


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