〝やる気〟が街を変える!


久保田 勝 さん
1953年(昭和28年)12月22日生まれ。大阪府出身。
1978年、京大大学院修了、建設省(現・国土交通省)入り。1998年4月、河川局河川環境課都市河川室長。2000年4月、北陸地方整備局富山工事事務所(現・富山河川国道事務所)所長。2003年4月、九州地方整備局建政部長。2005年8月、河川局河川環境課長。2007年10月、東北地方整備局長。2008年11月、独立行政法人水資源機構 理事。現在、東北電力に勤務。富山河川国道事務所のOB会会長も務める。

神通川から誕生した〝水の都とやま〟
〝松川〟は県都・富山のシンボル!

 街中を川が流れ、遊覧船が通っている。こんな街、全国的にもめずらしい。横に富山城や県庁、市役所があり、世界中から観光客がたくさん訪れている。ただ雨で増水すると、せっかくの遊歩道(リバーウォーク)も冠水して汚くなる。雨があがったら、洪水の引き際の時にポンプ車を1台持ってきて、洗い流す。そうすると早い。ヘドロって乾いてしまうと取れなくなるから、その前に洗い流す。これ一番安上がり。それも全部川の水で。ホースの勢いで全部洗い流す。松川は県都・富山のシンボル。〝シンボル〟を汚くしたままでは恥ずかしい!河川管理者である県が、業者と協定を結んで、業務委託をする。中心市街地の活性化は、松川を美しくすることが先。松川のリバーウォークを歩くと、爽やかで気持ちいいね。潤いと安らぎのある所に人々が集まり、街全体の賑わいに波及していくんですよ。
 つぎに河川の修景を考える。現在の松川は、城址公園側に親水の庭があって、滝が流れていたり、日本庭園のように美しいデザインになっている。こういう場所を増やしていく。また遊覧船の乗り場になっている松川茶屋も、富山城と一体になって、歴史を感じさせてくれる。それに川側が階段式のテラスになっているので、お店からも川や遊覧船が見えていいですね。遊覧船に乗ってる人も、〝カフェテラス〟で憩う人たちと手をふりあったり、一体感があって、街の中心なのに、都市から離れた田舎にいるような気分。ヒューマンスケールな設計で、街の真ん中のリゾート地にいるみたいに、心をなごませてくれる。こういうロマンチックな場所を、上流側、下流側へと伸ばしていく。国も予算面でバックアップしてくれますから、これを利用しない手はないですね!やる気ですよ。これからはやる気のある自治体と、そうでない自治体はどんどん差がついていく。松川茶屋やカフェテラスをモデルに、護岸の環境整備を進めれば、中心部の魅力がもっとアップして、たくさんの人々が集まってきて賑わう川になると思います。〝やる気〟があるところ、〝道は開ける〟ですね。

 

 

“松川茶屋やカフェテラスをモデルに、護岸の環境整備を進めれば、中心部の魅力がもっとアップして、たくさんの人々が集まってきて賑わう川になると思います。”(このカフェテラスは、2003年に開催された「川と街づくり国際フォーラム」によって誕生した)

 

 

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