県都・富山の魅力アップは「夢の神通回廊」の創造で!


▲サンアントニオの美しいリバーウォーク

 

2006年10月号で、当時県議会議員だった佐藤英逸氏は、アメリカのサンアントニオを視察し、松川を掘り込むことで都市の喧騒から隔離されたパラダイスを創出できると提言。

 

佐藤 英逸 さん
1940年1月5日生まれ。岡山県倉敷市出身。横浜国立大学経済学部卒。市議会議員を7期、6期目で議長。その後、県議会議員を務めた。

都心部の活性化図るには
川を魅力溢れる空間に

「松川・いたち川は、神通川から生まれた〝水の都・富山〟の宝です。都心部の活性化を図るためには、松川を魅力溢れる空間として、整備することです」
 2003年、県議・市議等19名で、アメリカのベネチアを目指し成功した、サンアントニオを訪問。途中、乗客が皆寝静まった暗い機内で、佐藤さんは肩から電燈の光をいっぱいに浴びながら、「夢の神通回廊」を、読みふけっていた。その姿に、このプロジェクトの成功を確信させられたものである。
 人一倍、研究熱心である。都市のど真ん中に、どうして水と緑のオアシスを作れたのか。その秘密が、川底を道路レベルから4.5メートル堀り下げたことに気づく。
 「魅力は、4.5メートルの掘り込みによって、道路レベルから隔離された別世界を作り出し、さらに、水門などで洪水対策をしっかりやり、回遊式の庭園的空間を作ったことです。川沿いには、リバーウォークが設けられ、カフェやレストラン、お店が並び、遊覧船が楽しそうに行き交っていました。都心にありながら、日常の世界から隔離され、そのため車の騒音も気にならず、心をなごませてくれました。富山も、都心部の道路面の下に、松川を中心に、このように美しい賑わい空間をつくらねば、と強く思ったものです」
 松川も、もう1・5メートル掘り込むことができれば、平板な街にレリーフのような深みを与え、ロマンチックな雰囲気を作り出すことができるのだ。
 洞察力と先見性で右に出る者はいない。
 「『夢の神通回廊プロジェクト』は、富山県の未来を決定づける大事業です。マスタープランを作って、皆で話し合う。パズルのようなものです。専門知識をもった、一つ一つのピースが全部一緒になった時、この夢が叶うんだと思います。このプロジェクトを成功させ、富山に恩返しをしたい」


サンアントニオは素晴らしい先進例

 佐藤氏は、2004年1月号の「サンアントニオ視察報告特集」で次のようにも述べている。
 「80年前に計画され、そして今もまだ改造中である街。リバーウォークは、市民が楽しむだけでなく、観光にも利用され、産業の大きな柱となっている。素晴らしい先進例をみました。富山には松川、いたち川、環水公園があり、同じように活用でき、近代化と街づくりを一緒にやってきた歴史性、物語性もPRできる。中心部活性化に向け、新幹線、百年の大計、コンパクトシティのキーワードで、できるところから焦点を決めて具体化していく必要があると思います」

 

富山には松川、いたち川、環水公園があり、同じように活用できる

 

 

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