城址公園の西側のお堀を復元し、松川とつなごう!
サンアントニオから学ぶ夢物語
「サンアントニオをお手本に」
―― 中沖元知事 グッドラック創刊20周年記念インタビューで
2003年10月25日から、八嶋会頭(当時)、濱谷専務理事(同)をはじめ、富山商工会議所の視察団がアメリカを訪問。
サンアントニオ市では、その年の9月に「川と街づくり国際フォーラム」基調講演のために来富した、サンアントニオ市公園管理者リチャード・ハード氏、地元商工会議所などの案内で、同市の街づくりや、コンベンションセンターなどを視察しました。
ホテルの地下1階に降りた瞬間、目の前にリバーウォークがあり「これは松川と同じだ」、と思いました。この川をモデルにして作ろうと思えば、松川の整備にあたって何でもできる、というのが一番の印象でした。サンアントニオがあれだけの人を集めることができるのは、川を活かした街づくりに成功したことはもちろんですが、観光に対する市民の意識の高さにあると感じました。
また、障がい者用の車イスでリバーウォークを通行できるよう、段差のあるところにはスロープをつけたり、屋外にもエレベーターが整備され、高齢者にも配慮がなされていることも目に留まりました。
西側のお堀を復元して松川とつなぐ
今回、サンアントニオを視察して、素晴らしいアイディアが浮かびました。夢物語に聞こえるかもしれませんが、市立図書館の移設後、城址公園の西側にあったお堀を復元して、松川と南側のお堀とをつなぎ、両側にはリバーウォークを設けると共に、船で富山城はじめ国際会議場やホテルなどにも行けるようにするのです。
リチャード・ハードさん(サンアントニオ市・河川管理者)に聞くと、サンアントニオの場合は行政もさることながら、民間の活動が大きかったとのこと。河畔には舞台装置を作って、演奏会も聴ける。そして、そういったところとコンベンション施設が水路でつながる。これを10年ほどかけてつくっていくんです。そこから少しずつ拡大していけばよい。
富山市内に観光客を寄せるには、歴史、食、リバーウォーク、全部そろった複合施設がなければなりません。これをスタートさせないことには、市内中心部は、ずっとそのままになってしまいます。
城址公園の歴史を生かし、魅力アップを
18年前、「川と街づくり国際フォーラム」で、新幹線が来るまでに絶対に片付ける必要がある、と言っていたのに、出来なかったですね。案の定、富山市内に魅力がないため、観光客の8割は金沢へ、富山はわずか2割です。図書館が移った今、昔のお堀を復元しましょう。城址公園の整備計画を、歴史と観光の側面から見直すことが、富山の未来にとってとても重要で、大切なことなのです。
富山商工会議所
元専務理事
濱谷 元一郎さん