1★ほしにむすばれて
ほしにむすばれて
谷川俊太郎・文
えびなみつる・絵
文研出版
◆宮城県生まれ。富山県天文学会会員。平成14年から21年まで富山市天文台勤務。現在は、子育てをしながら富山市科学博物館ボランティアとして活動。好きなものは、星と月、本、石、博物館巡り、お菓子作り、ビートルズ。
はじめまして。富山県天文学会の中林みぎわです。
皆さんの本棚には、星や月が出てくる本はどれくらいありますか? このコーナーでは、星空と本が大好きな私が星空にまつわる本を毎月一冊ずつ紹介し、季節の星空や話題の天文現象などについても触れていきます。本が好きな方には星空に、星空の好きな方には本に、少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。
普段星空を見上げることがない人でも、子供の時に見つけた一番星だったり、家族とお月見をした時の満月だったり、恋人と見たオリオン座だったり、誰でも一つくらいは星空の思い出がありませんか? そんな思い出をつないでいく絵本が「ほしにむすばれて」です。子供のころに望遠鏡で星や月を見ていたおじいちゃん。星座のお話をたくさん読んで大きくなったお母さん。そしておじいちゃんの望遠鏡に託された星空への思いを受け継ぐ「ぼく」。谷川俊太郎さんが紡ぎ出す言葉に、えびなみつるさんのシンプルな絵が寄り添います。その絵は星空を過剰に華美に描くことなく、実際に目で見た印象に近いものとなっています。絵本ですが「もう一度星空を見上げてみませんか」という大人へのメッセージが込められた一冊です。
さて、春は北斗七星が見ごろを迎えます。夜の8〜9時頃に、北の空の高いところに見られます。七つの星が「ひしゃく」の形に並ぶ、お馴染みの北斗七星。実際に七つの星をつないでみると、北斗七星が意外に大きいことに驚かされます。同じ頃の南の空には、ひときわ明るい星が見られます。木星です。木星は、地球から見て金星に次いで明るい星なので、街の中でもよく見えます。たまにUFOと間違える人もいますので、お気をつけて。
星を探すときは、外灯や街明かりなどのまぶしい光を直接見ないようにし、空の暗さに目を5分ほど慣らしてから探すと見つけやすいですよ。