2★星稜剱岳

星稜剱岳
中川達夫・著 橋本確文堂

 

中林みぎわ〈Profile〉

◆宮城県生まれ。富山県天文学会会員。平成14年から21年まで富山市天文台勤務。現在は、子育てをしながら富山市科学博物館ボランティアとして活動。好きなものは、星と月、本、石、博物館巡り、お菓子作り、ビートルズ。

 こんにちは、富山県天文学会の中林みぎわです。県外出身の私は、初めて富山に来たときに富山大橋の上から見た立山連峰の美しさにとても感動しました。立山信仰が生まれたのも肯けるなと思ったものでした。二十数年経った今でも、立山連峰を見るたびにそのときのことを鮮明に思い出します。その立山連峰を代表する剱岳と星空との写真を撮り続けている写真家が中川達夫さんです。刻々と変わる空の色。沈みゆく太陽や昇りくる月に照らされる山肌。夜空に輝く無数の星。中川さんが撮影した剱岳と星空の写真は、剱岳と星空とが織りなす情景がいかに多彩であるかを私たちに教えてくれます。
季節による地上の風景の違いや星座の移り変わり、月の形や位置、日没からの(あるいは日の出までの)時間、流星や彗星などの特別な天文現象…さまざまな条件によって出会える星空と地上の風景には、無限の組み合わせがあります。言い換えれば、今見えている星空と同じ星空は二度と見られないのです。剱岳と星空との一期一会を大切にしたい。中川さんのそんな想いが伝わってくる写真集です。現在、中川さんをはじめとする富山県天文学会の会員による写真展が、県内各所で開催されています。星空と地上の風景とを写した星景写真のほか、月や惑星、星雲、銀河、珍しい天文現象など、内容は多岐にわたります。お近くの会場まで足をお運びいただければ幸いです(私は出展していませんが…)。

【富山県天文学会写真展「天体写真の楽しみ」】  
☆5月20日(土)〜6月18日(日)   黒部市吉田科学館
☆6月24日(土)・25日(日)   富山市ガラス美術館ギャラリー
☆7月8日(土)・9日(日)   イオンモールとなみ
 各会場で写真展示のほか、天体写真を撮影する楽しさなども紹介しています。詳しくは富山県天文学会のホームページをご覧ください。
※編集部注:2017年の行事です。既に終了しています。

 

 

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