24★「おさるのジョージ『ねむれないよる』」


おさるのジョージ『ねむれないよる』
M.&H.A.レイ・原作
福本友美子・訳 岩波書店

 

中林みぎわ〈Profile〉

◆宮城県生まれ。富山県天文学会会員。平成14年から21年まで富山市天文台勤務。現在は、子育てをしながら富山市科学博物館ボランティアとして活動。好きなものは、星と月、本、石、博物館巡り、お菓子作り、ビートルズ。

 今回ご紹介する絵本は子供たちに大人気の「おさるのジョージ」シリーズからの一冊です。いたずらこざるのジョージは、原作者のH.A.レイが「ひとまねこざる」シリーズで創作したキャラクターです。のちに別の作者によって、レイのスタイルを踏襲した新しい「おさるのジョージ」シリーズが制作されています。
 ある日、ジョージは空が落ちてくる夢を見て怖くなり、眠れなくなってしまいました。そんなジョージを安心させるために、仲良しのおじさんは夜空の星を見せてあげます。望遠鏡で惑星を見たり、星座を探したり。この星座を探すシーンに描かれた、しし座の星の配置が正確で驚きます。それもそのはず、原作者のレイは『星座を見つけよう』という科学絵本も手がけているのです。この科学絵本で紹介される星座のつなぎ方はレイ独自のもので、一般的に知られているつなぎ方より星座の形がイメージしやすく、初版から50年経った今でも星座観察の入門書として人気があります。おそらく本書の作者は、レイが『星座を見つけよう』を手がけたことを承知し、レイへのオマージュをこめて本書を制作したのでしょう。ジョージと飼い主のおじさんも、レイ著『星座を見つけよう』を片手に星空を見上げています。
 さて、ジョージも見上げたしし座がちょうど見ごろを迎えており、夜8時頃に南の空の高いところに見ています。横向きのライオンの姿に星が並び、胸のところには一等星のレグルス、しっぽの先に二等星のデネボラが輝いています。また、頭上に見える北斗七星の弓なりに反った柄のカーブを南に延ばすと、うしかい座のアークトゥルスとおとめ座のスピカが見つかります。そして、アークトゥルスとスピカ、しし座のデネボラを結ぶと「春の大三角」のできあがり。「空が落ちてくるのでは?」というジョージの杞憂はさておき、眠れない夜には春の星空めぐりを楽しんでみてはいかがでしょうか。


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