Vol.12  柳家さん生師匠の落語クルーズ

 2022年10月、柳家さん生師匠の落語クルーズを初開催致しました。2020年に富山テレビの矢野美沙アナウンサーさんとのコラボで【大人のための絵本クルーズ】を開催したことは書いていましたが、船上で優雅にお話を聴く時間を設けたいなと思っていたのと、夫から、普段よりいろんな情報を教えてもらっているのですが、「大阪道頓堀で落語家さんがガイドしてくれるツアーがある」と聴いていました。船上でお話を聴く=落語家さんとのコラボが繋がって、イベントをしてみたい!と思いましたが、道頓堀では落語家さんが〝ガイド〟として乗船されるというもの。私がイメージしたのは、船上で落語を聴くという企画です。真打ちでいらっしゃる、さん生師匠がどう思われるか⁉ 5月の暑い日、師匠とシミュレーションをしまして、師匠が「やってみましょう!」とご快諾下さって開催となりました。
 開催した日は10月なのにとても暑くて、師匠は照りつける太陽を頭と背に受け、大変暑かったことでしょう。終了後、汗だくでいらっしゃったのを今も鮮明に覚えています。屋内開催だと、お客様の集中をそらすものはありませんが、外なので、大通りの音が聴こえてきたり、青鷺がいたり、船とすれ違う際、お互いに手を振ったり、ギラギラ暑い太陽の熱を肌で感じるし、汗は出るしで、お客様は感覚をフル稼働させての落語鑑賞なわけです。師匠はお客様の様子を見ながら、ちょっとだけ中断して沿道の皆様に一緒に手を振ったりで、師匠もお客様も大忙しでした。落語クルーズならではの展開です。翌年2023年に落語クルーズの2回目の開催をした時から、富山大学ボランティアサークルのMEETSさんにこの《まちなか水辺遊び》をお手伝いして頂くようになります。この時は、富山テレビさんが「松川の1年」というテーマで四季を追いかける特番のために撮影に来てくださり、参加された学生さんがインタビューでとても素敵なコメントを残してくださいました。「自然を感じながら落語を聴ける貴重な機会で、心晴れやかに楽しめた。橋の下を通るタイミングと、噺の〝長屋の奥〟の場面の登場で、情景がマッチして、想像を掻き立てられとても新鮮でした」と。企画しておきながら落語クルーズの醍醐味を言語化できていなかった私は、学生さんのコメントで大きく背中を押されたのでした。

 

中村志保〈Profile〉

 

月刊グッドラックとやま編集部スタッフ。桜終了後の松川の魅力も知って頂きたいと《まちなか水辺遊び》と題して、2018年からさまざまなイベントや企画便を開催。富山地域通訳案内士。富山市在住歴20年。1児の母。

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