十三石橋
JR高山線 越中八尾駅からの観光客が大勢利用する
十三石橋北側橋詰は、JR高山線の越中八尾駅から歩いて来た観光客がひと息つくスポット。例年、おわら風の盆の時期に大勢の観光客が利用する(今年は、残念ながら新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、おわら風の盆行事は中止となった)。
十三石橋は井田川に架かり、1935(昭和10)年に完成したが、2012年の定期点検で、橋桁に多数のひび割れや鉄筋の腐食、橋脚の劣化を確認。県が管理する811橋(15メートル以上)の中では最も老朽化が顕著で、架け替えが必要と判断。2014年から架け替え工事が始まり、昨年8月に完成、開通式が行なわれた。
さて、この「十三石」という名前には次のような由来があるという。看板から見てみよう。
十三石由来(看板より)
まだ八尾がさびしい村のころ、今の東町のあたりにお玉という美しい娘がいた。
お玉には心に決めた若者がいたが、その若者は実は仁歩谷に住む大蛇であった。お玉は、たとえ相手が大蛇であっても妻となる約束を破ることはできない、と十三石はしあたりにあった池に身を投げ小蛇となった。
それ以来人々は、この池をお玉が池と呼び、小蛇を玉蛇といった。大蛇はお玉が池へ喜んで通ったが、そのたびに大洪水を起こし村人を苦しめたので、平沢の小七郎が大蛇を平沢の池にふうじこめた。
それとは知らない玉蛇は大蛇の無情に怒り、嵐を起こしたりしたので、大長谷の島地八幡は哀れに思い玉蛇を佛弟子とし、浄円寺に仕えさせた。
お玉が池はやがて開拓され、十三石の米がとれたことから、このあたりを十三石と呼ぶようになった。(八尾町史より)