『経営のコツここなりと気づいた価値は百万両』
経営のコツここなりと気づいた価値は百万両
松下幸之助著 PHP文庫
524円
“素直な心になるところにこそ経営のコツを得るコツがある”(松下幸之助氏)
〝私は、お互いの商売、経営を繁栄、発展させていく道というものは、いかなる困難、混迷の世の中においても必ず見出し得るものだと考えています〟という力強い言葉で始まる、この本。詳細は本書を読んでいただくとして、目次を少しだけ見てみよう。
〝雨が降れば傘をさす〟〝好況より 不況さらによし〟〝時代をつくっていく経営をしたい〟〝求める心さえあれば衆知は集まる〟〝うまくいかない原因は自分自身の内にある〟〝青春とは心の若さである〟等々、興味深い見出しが並ぶ。その中に、この本のタイトルとなった〝経営のコツここなりと気づいた価値は百万両〟がある。
幸之助氏は、〝生きた経営のコツは、教えてもらって「分かった」というものではない。いわば一種の悟りともいえるのではないか〟と述べ、一つひとつの仕事に一生懸命取り組みつつ、反省を重ねていく、そしてやがては、意識しないでも反省できるようになることが必要という。
さらに、〝一つの心がまえとして、やはり素直な心にならなければいけないと思う〟と続ける。〝常に素直な心になることができれば、人間というものは、物事のほんとうの姿、実相を見ることができるようになって、あたかも神のようにといってよいほど、強く正しく聡明になることができる〟〝その意味では、素直な心になるところにこそ経営のコツを得るコツがあるといっても決して過言でない気がしています〟と述べる。