“水の王国”のシンボルにサンアントニオを参考にしたリバーウォークを誕生させよう!
リバーウォークに感激
海外へ出たのが3回目。いかにも経験豊かなようである。「ウィングめいと」に先輩顔をしてよくも大それたことを記したものだと悔やむことしきりである。団員の皆さんの4カ月に及ぶ国内研修を終えての現地研修にはとてもかなわない。
今回の旅行で感銘を受けたこと、参考にすべきことは数多いが、テキサス州サンアントニオ市のダウンタウンを流れるサンアントニオ川沿いのパセオ・デル・リオ(英語では、リバーウォーク)は、特に印象に残る一つである。かつて、この川はドブ川でその対策がせまられ、男性は埋め立てて再開発することを提案し、女性は豊富な地下水を利用して浄化を図り活用すべきことを主張した。大議論の末、女性側に軍配が上がったとのことである。川沿いには野外レストラン、ホテルなどが軒を並べている。朝や昼は落ち着いた雰囲気の公園であり、夜ともなれば、さまざまなアトラクションが繰り広げられ、リバーシアターでは音楽が奏でられ、若い恋人達が腕を組んで散歩を楽しむロマンチックリバーサイドに変身する。また、リバータクシー(朝から深夜まで運行する遊覧船)に乗って巨大なコンベンションセンター(西暦2000年まで予約で一杯)や、リバーセンター(ショッピングセンター)等にもホテルから直接行くことができ、世界中から人々が集まっている。
富山県は水の王国である。教えられることが極めて大きいような気がした。見聞を広めることに人一倍旺盛な中沖知事は、到着の夜、野外レストランでの夕食のあと、そして翌日早朝に散策を楽しみ、その日の夜はリバータクシーに乗船し、都合3回の視察をされたのである。
※第19回 富山県青年海外派遣 報告書(1989年10月12日〜10月24日)の「サンアントニオ編」(同年10月17日〜10月18日)より
■湯上谷 勉さん
1942年生まれ。1989(平成元)年、第19回富山県青年海外派遣「明日を拓く青年の翼」の名誉団長・中沖豊氏の秘書としてサンアントニオを視察。