北陸地域の発展に向け、調査・研究に努めたい

一般財団法人北陸経済研究所 理事長
沼田 雅博 さん
Masahiro Numada

 

 「情報というのは、今時、ネットでクリックすれば何でも手に入るから、研究所なんているのかな、と多少なりとも思っていましたが、それは勘違いだったということが、研究所に来て初めてわかりました。我々がやっている仕事は、ネットなどに情報として上がる前の部分です。実際にいろいろ取材をしたり研究したりして、できあがったものが本や何かの媒体にアップされて、初めてそれが情報となります。当研究所は北陸地区を専門にしていますので、少なくともこの地域に関しては、調査をして、それを蓄積し、それらから分析された研究結果を世に示していく。そのことが、結果として、今ここで経済活動を行なわれている方のお役に立てる可能性がある。そういう使命感を持ってやっていきたいと思っています」
 今年6月に理事長に就任した沼田さんは、抱負を語る。
 (一財)北陸経済研究所は、北陸銀行創立100周年を記念して1978年に設立された民間のシンクタンク。「価値共創~北陸の確かな未来を地域とともに創造する」を経営理念として、事業展開を行なっている。
 沼田さんは、北陸銀行時代、全国各地の支店に赴任した。
 「それぞれの場所を自分の居心地のいい場所にできるかどうかは、自分の工夫と努力次第、という気持ちで過ごしてきました。例えば、釧路には副支店長としても行っているので2度勤務しましたが、非常に暮らしやすい、いい街でした」
 銀行員時代、迷った時は自分の胸に手を当てて、自分の良心にかなっているかを判断基準としてきたそう。
 「出身大学の同志社大学に行くと、『良心碑』という石碑があります。〝良心が全身に充満した青年が現れることを望んでやまない〟と新島襄が手紙に書いたその一節が、私の座右の銘になっています」

 

 

プロフィール ●
1961(昭和36)年6月28日、福野町(現・南砺市)生まれ。小学校の終わりから富山市で育つ。1984年3月、同志社大学商学部卒業。1984年4月、㈱北陸銀行入行。2004年4月、同 山中支店長。2007年6月、同 苗穂支店長。2009年4月、同 融資第二部上席融資役。2010年1月、同 長野支店長。2012年6月、同 釧路支店長。2016年6月、同 融資部長。2018年6月、同 執行役員 融資部長。2019年6月、同 執行役員 監査部長。2020年6月、同 常勤監査役。2023年6月、(一財)北陸経済研究所 理事長(現職)。

 

Q&A

●座右の銘
 『良心之全身ニ充満シタル丈夫ノ起リ来ラン事ヲ』
 (同志社大学を設立した新島襄の言葉)

●朝起きて最初にすること
 「自分でコーヒーを入れて、それを飲みながら新聞を読みます」

●旅行で印象に残った街
 シンガポール
 「20代の時に旅行で初めて行って、仕事も含めて10年に1回行っています」

●好きな映画
 『七人の侍』(黒澤明監督)
 「人の人生というものが凝縮された映画です。何度観てもいいなと思います」

●趣味 園芸
 「シャコバサボテンなどの花を育てています」

●生まれ変われるとしたら
 「人間でなければ、自由に空を飛べる鳥がいいですね。カラスは周りに迷惑をかけるから嫌ですが(笑)」

 

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