『やったことのないことに挑戦する』をモットーに

ダイト株式会社 代表取締役社長 兼 CEO
松森 浩士 さん
Hiroshi Matsumori

 

 昨年8月、ダイト㈱の代表取締役社長になり、今年1月からCEO(最高経営責任者)も務める松森さん。
 「高校に入ってすぐの頃に怪我をして、3〜4カ月長期入院した経験から医療・医薬に興味をもち、製薬企業で薬の開発や研究に携わりたいと思ったのがこの道を選んだきっかけです」と振り返る。
 卒業後、台糖ファイザー㈱(現 ファイザー㈱)に入社し、臨床開発をスタートに、マーケティング、海外勤務、薬事部、経営企画、エスタブリッシュ医薬品事業(特許切れ医薬品ビジネス)と、様々な業務に取り組んだ。
 「『やったことのないことに挑戦する』をモットーに仕事をしてきました。だいたい4〜5年の単位で、
いろんな部署を、自ら手を挙げて経験させてもらう、ということを心がけていました」
 ファイザー㈱でエスタブリッシュ医薬品事業部門長として勤務していた時、受託製造を依頼するにあたり、ダイト㈱の製造施設を見学し、意見交換する機会があった。
 「笹山社長の時代でしたが、『信頼できるパートナー』との認識を強く抱きました。その後、武田テバファーマ㈱の社長時代に、ダイト㈱がある製品の重要な委託先で、何度も富山へ足を運びました。様々な議論の中で、当時の大津賀社長(現 会長)から『組織活性化のために経営に外部の意見を取り込みたい』との打診をいただき、この度の社長職を引き受けることになりました」
 昨年7月に公表した新中期経営計画『DTP2027』は、強みと課題の分析を踏まえ、”「シン・ダイト」の確立” をコンセプトに、既存ビジネスの効率化、中国ビジネスの強化、新規ビジネス(希少疾患のオーファン薬市場)への参入など5つの柱からなる。
 「夢は、例えば10年経って眺めた時に、あの時軌道に乗せたことが実ったな、と成果を確認できることですね」

 

プロフィール ●
1956(昭和31)年7月24日、長野県松本市生まれ。1982年3月、明治薬科大学大学院修士課程微生物学専攻 卒。1982年4月、台糖ファイザー㈱(現 ファイザー㈱)入社。2013年4月、ファイザー㈱ 取締役執行役員 エスタブリッシュ医薬品事業 アジアパシフィック地域戦略担当バイスプレジデント。2013年12月、SBIバイオテック㈱ 代表取締役社長。2016年4月、テバ製薬㈱(同年10月、武田テバファーマ㈱に社名変更)CEO 兼 社長。2021年10月、武田テバファーマ㈱ 代表取締役社長 兼 CEO。2023年7月、ダイト㈱入社。同年8月、取締役副社長。2024年1月、代表取締役副社長。2024年8月、代表取締役社長。2025年1月、代表取締役社長 兼 CEO。

 

Q&A

●座右の銘
 『Think outside the box』
 「物事を必ず俯瞰的に、自分のいる箱の外から考えるよう心がけています」

●趣味
 散歩

●出身地の好きなところ
 「出身地の松本は、山に囲まれた盆地の中にお城を中心に城下町が広がっていて、そのまとまり感、景色が気に入っています」

●尊敬している人
 「本を読んだりドキュメンタリーを見た時、または直接お話を聞いたりした時に、素晴らしい考え方をお持ちだなと尊敬することが絶えずあります」

●旅行で印象に残っている所
 「今年になって初めて東京の自宅にいる家内を呼んで、環水公園や、兼六園・金沢城に行ってきました」


【会社メモ】 1942(昭和17)年6月創業。医薬品の原薬から製剤まで、また新薬からジェネリック、OTC医薬品に至るまで幅広く事業を展開。『薬都とやま』に本社を置く製薬会社として唯一、東証プライム市場に上場。社是:『創造・闘志・誠実』。経営理念:『楽しい会社、楽しい仕事』。売上高:468億9,589万円(連結 : 2024年5月末現在)

 

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