11. 街路空間再編に向けた2つのアプローチ

髙栁百合子〈Profile〉

 

元・国土交通省都市局土木技官。20代で市役所に出向し、市民参画型のまちづくりに注力。長女出産後は研究所に勤務しながら博士号(工学)を取得。2018年4月に富山大学に都市デザイン学部が新設されたのを機に、准教授に着任。五福キャンパスで教壇に立ちつつも、娘の学校の先生には全く頭が上がらない。好物は富山湾のお刺身とお寿司。

 前回は、Livable City(住みやすい都市)として知られるメルボルンの、時間によって姿を変えるストリート・マネジメントの手法をご紹介させていただきましたが、これは大都市の中心部、それも商業的な性格の強い街路空間のお話でした。まちなかの子育ての話をしているのに、この事例を取り上げた理由は、住宅地の街路空間をクルマから人中心へと見直そうというゴールに対して、直接的に住宅地の子育て世代に絞ったアプローチだけではなく、特に地方都市においては、まずは市民の誰もが利用する代表的な街路で、例えば駅前のメインストリートなどで広く実際の取り組みを見せていくことも、


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