【其ノ百四十八】自殺についての考察その一

柳家さん生・・・昭和32年、富山市西町に生まれる。上野鈴本演芸場等、寄席定席に出演のかたわら、都内各所にて勉強会、独演会を精力的に開催、活躍中。

 このところ、所謂芸能人と言われる人の自殺が相次いでいる。かなり衝撃的なことであります。ワイドショーの格好の話題になり、親しくもない同業者が物知り顔で言っているのはただただ呆れて開いた口がふさがらない。  
 人は何故自殺をするのか?自殺とは人に限られたものなのか? 自殺を考えた事がありますか? 様々な疑問質問が思い浮かびます。
 私の業界でも幾人かが自殺をしている。先代つばめ師匠の本に、自殺について書いてあるものがある。「芸」と「芸道」とは違うのだと書いてあるのです。ここでの芸道は、落語家としての普段の暮らしや生き様です。それに悩んで自殺をする者はいないのではないかと。「芸」という捉えどころのない不確かなもの。他人から見るとすごく成功して邁進していくように思えるものこそが、魔物でありくせ者である、とあります。有名人と言われる人のほとんどは、端から見ると有名である事がすでに限られた者の幸せであるように思えるらしい。辿り着いた人、辿り着こうとした人しか考えられない世界がきっとそこにあるのでしょう。続きはまた改めて。
 いやはや まいどはや

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