【其ノ百八十九】高齢者と老人

柳家さん生・・・昭和32年、富山市西町に生まれる。上野鈴本演芸場等、寄席定席に出演のかたわら、都内各所にて勉強会、独演会を精力的に開催、活躍中。

 原稿を書こうという時にあの! 漫画家 鳥山明さんが亡くなったというニュース飛び込んできた。享年六十八だと言う。「六十八とは早い!」惜しまれる声が沢山上がっている。実は私は今年、六十七である。ほぼ同じ年齢である。人生百年の時代と言われるいま、確かに早い気がする。しかし、国の高齢者医療に関する法律では六十五を超えたら前期高齢者。七十五を超えると後期高齢者となっている。高齢者というのはなんだろう?と、ウィキペディアによると「社会の中で年齢の高い一群」としてある。同義語は「老人」「年寄り」とある。果たして本当はなんだろうか。暮らしの中では子を持つ親が、孫ができると「爺さん、婆さん」と呼ばれる。途端に、同じ年なのにいわゆる老けてくる者がいる。これに年は関係はないし、高齢者ではない。言えるのは世間から見て「老人」と「高齢者」は違うようである。高齢者という言葉が世間に広がり、百年時代が耳慣れたことによる年齢に対する思い込みでしか無い気がする。歳は重ねるもの。キリがないのである。比べるものでもない。自分らしく生きていく事こそ、歳相応なのだと思いたい。いや、思う今日この頃である。
 いやはや まいどはや

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