【其ノ四十四】　ご苦労さまでした。

　年の暮れ、また一年を振り返る時期が来ました。今年一番のニュースは、何と言っても三月の東日本大震災でしょう。日本人が皆少なからず思いを感じ、傷ついた出来事でした。そのせいか今年は一年が早いようでもあり、長かったようにも感じます。さらに奈良や和歌山では、大雨による水の被害を受けました。海外でもタイの洪水が耳に新しいところです。
　文化事業やお祭りが中止になることが多く、私はそんな時こそ祭事をやるべきという思いを強く持ちました。昔から慶び事にはもちろん、災いがあったときも祭事は欠かせませんでした。行政は一斉に中止を叫び、ほとぼりが冷めた頃になって是非やるべきだと叫んでいて呆れたものです。さらに報酬や利権が全てを牛耳ることも、また、日本人がどのような人種であるかを改めて考えさせられ、目の当たりに見せつけられた一年でもありました。