58.私にとっての書くことの原点

 私はいつから文章を書くのが好きになったのだろう? 本を読むのも好き。文学に触れるのも好き。この原点は私の過去のいつから始まったのか? 深い記憶の奥底に耳をすませてみた。そして気づいた。それは私の両親のおかげだ。私がまだ小学生だった頃、自営業で毎日忙しい両親を側で見て育った。甘えたくても、遊んで欲しくても、いつも絶えず忙しそうに働いてる姿を見ると、わがままを言えなかった。でも、毎週土曜の朝に、母が私を図書館に連れて行ってくれて、好きな本を選ばせてくれた。そして紙芝居を読んでくれた。これが楽しくて…、母と一緒に過ごせる特別な時間だった。最初にどれを選べばいいかわからなかった私に、母は二宮金次郎の本を選んでくれた。私の通っていた小学校に銅像もあった。貧乏で薪を担ぎながら勉強して出世した立派な人だ。私は世の中にこんなに苦労しても諦めずに偉人になる人がいるんだと心から感動したのを覚えている。


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