富山市が“一生住みたいな”と思われる都市になるのが夢
富山ライトレール株式会社 代表取締役 社長
粟島 康夫 さん
富山市の職員として、駅北の60mの幅の道路(ブールバール)の計画をはじめ、様々なまちづくりに携わってきた粟島さん。さる6月27日、富山市が最大株主の第3セクター、富山ライトレール㈱の社長に就任。これまでの取り組みや、夢などを聞いた。
「いずれ、ポートラムが富山駅の高架下を通って駅の南側まで行くようになれば、岩瀬やライトレール沿線の方々が、西町・総曲輪まで乗り換えなしで行けるようになり、もっと便利になります」
ただ、再来年3月の新幹線開通時は、駅の北側が工事中のため、まだ高架下を通り抜けることはできないという。
富山ライトレールは、JR富山港線を引き継ぎ、2006年4月29日に開業した。全車両や駅施設をバリアフリー化し、日中は15分に1本という高頻度運行を実現。更に、終電時間を延長したり、電停数を増やすなど、大幅な利便性の向上を図った。また、トータルデザインを採用したことで、イメージが一新した。
「JR時代は、1日平均2,200人のご利用でしたが、現在は、5,300人に増えています」
市の都市計画課にいた頃、駅北のブールバールの計画立案を任された。その後、区画整理課に異動となり、実際の事業を担当することに。この時に、企業や住民に協力をお願いするのが一番大変だったと話す。
「企業、個人、それぞれの立場で、皆さん反対されていましたので、それをどういうふうにご理解頂くかというのが、なかなか苦労があったかなと思います」
夢は、「ずっとまちづくりの仕事をしてきましたから、今住んでいる富山市が、〝本当に住みやすくて、ずっと一生住みたいな〟と思われる都市になることですね」と微笑む。
あわしま・やすお ●
1953年(昭和28年)6月15日、富山市生まれ。A型。富山中部高校、金沢大学工学部土木工学科卒。技術職として富山市役所に入る。 ○座右の銘…「真面目に丁寧に接すること」 ○尊敬する人…安藤忠雄さん 「この何十年間、仕事をしてきている中で、よく講演会や書籍を参考にさせて頂いて、元気を頂きました」 ○趣味…読書、映画鑑賞、カメラ 「映画では、『007』シリーズが好きで全て観ています。その中に出てくるヨーロッパの都市の美しさに惹かれました」 ○旅行で印象に残っている街…「国内では、東京です。都市の力、パワーを感じます。外国では、『007』でも出てきたスイスのジュネーブです。美しい都市でしたね」 ○家族…「今、夫婦2人だけですが、近くに母が住んでいます。子どもは2人いますが、2人とも就職して東京に行っています」