“自分達に何ができるか” を結集し、大きな流れに

富山商工会議所 会頭
髙木 繁雄 さん

 4月からの消費税8%への引き上げや、1年数カ月後の北陸新幹線の開通を前に、11月、130数年の歴史を持つ富山商工会議所の21代目会頭に就任した前北陸銀行頭取の髙木さんに、これからの抱負を聞いた。

 「新幹線の開業で、ある面では明治維新にも匹敵する、かなり画期的な経済の変化が起きるでしょう。東京から見ると、富山は最後のフロンティア。消費者とすれば大変便利になる新幹線ですが、生産者や働く側から考えると厳しい局面もありうる。そんな中での舵取りなので、ここはいわば天命だと思って、しっかりやっていきたいと思っています」
 観光面では、金沢にはないものでいくべきと述べる。
 「富山は明治以来、産業集積地なので、産業観光だろうと思います。ただ、富山は、(観光の)品揃えは結構あるんですが、有機的、立体的に結びつけて、きちっとした産業にしていく部分が弱い。行政の力も必要不可欠ですが、自分達にだってできることはいっぱいあるはず。ケネディさんが、“国家が何をしてくれるかではなくて、自分達に何ができるか” と言いましたが、誰かが何かをやってくれる、ではなくて、俺たちが何ができるか、というのを一つ一つ結集していき、大きな流れにしていければと。これを私の最大のテーマにしていきたい。何か目新しいことをやるのではなくてね。民間同士でも協力できることはあるんですよ。なんとか前向きになればいいなと思っています」
 観光客の目で見た時に何が足りないか、という視点の大切さを訴える。
 「自分が観光客のつもりで街を歩いてみて、その便利さと不便さを自ら体験することがとても大切だと思いますね」

 

たかぎ・しげお ●
昭和23年(1948年)4月2日生まれ。富山市出身。A型。昭和46年3月、早稲田大学商学部卒業。昭和46年4月、㈱北陸銀行入行。昭和55年2月、日米経営科学研究所(JAIMS:米国)修了。その後、大沢野支店長、岐阜支店長、渋谷支店長、総合企画部長兼秘書室長兼主計室長を歴任。平成10年6月、取締役。平成14年6月、取締役頭取に就任。平成15年9月、㈱ほくぎんフィナンシャルグループ(現 ㈱ほくほくフィナンシャルグループ)代表取締役社長に就任。平成25年6月、㈱北陸銀行特別顧問に。同年11月、富山商工会議所会頭に就任。
○座右の銘… デンノッホ(それでもなお)「 マックス・ヴェーバーの言葉です」
○尊敬する人… 松村謙三氏、馬瀬清亮氏 ○趣味…美術鑑賞 ○家族… 妻、娘2人「2人とも嫁いでいます」

 

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