造園的発想で松川をきれいにして、思わず歩きたくなる場所に

富山市役所で長年まちづくりに携わってきた京田さんは、土木的発想ではなく、造園的発想で、松川の美化を提案する。

 

川を使った庭、「親水のにわ」の設計を担当

 「30歳ちょっとぐらいの時に、松川の「親水のにわ」の設計を担当することになりました。まだ若かったし、どういう経緯で仕事が来たかあまり覚えていないのですが、水を流す機能を優先していた当時の川というものに、少し掘り込みも作って、修景を考えるということをやらせてもらえるということで、面白そうなことができるなと思ってやっていました。河川法がどうとかというよりは、川を使った庭を作りたい、という思いの方が強かったですね。

 

単調でなくて、風景やディテールが変わっていくと飽きさせない

 私は残念ながら、サンアントニオへは行ってませんが、サンアントニオ川の水路のふちも、日本庭園ではないですけど、ある意味、日本庭園的要素を取り入れていると思います。いわゆる単調でなくて、ちょっと行くごとに風景とかディテールが変わっていく。変化があると飽きさせないし、その先はどうなっているんだろう、という期待感もあります。日本庭園でも、園路をわざと曲線にして、先まで見通せないようにしておいて、そのカーブを曲がると次の景色を見せる、というようなことをやります。それは、平面図を描いてもわからない世界で、パースを描いたり、図面をわざと斜めにしてみたりしながら、そこにある石とか木とか、水の流れとか、そういうものがどう見えるだろうってことを頭の中に置いて、それで図面を描きながら計画を作っていくということを、サンアントニオは必ずやっていると思います。松川は富山のまちなかを流れるヒューマンスケールな川ですから、もっと大事にすべきですね。もう一工夫すれば、松川の価値は、それこそ10倍にも100倍にも上がると思います。

 


▲日本庭園のようなサンアントニオのリバーウォーク

 

見た目の美しさと、清潔さの両方が必要

 船に乗って両側の景色を眺めながら下れるとか、両側をしっかり整備された中で歩けるというのはすごく大事です。今、歩ける場所は作ってありますけど、そこを気持ちよく歩いてもらうには、そこがいつも「きれい」であることが大事。「きれい」というのは、見た目の美しさと清潔という意味の両方あるんですが、その両方がないと駄目なんですね。城址公園は富山市の中心部の一番大事な公園で、優先順位はナンバーワンなんですよ。そういう意味では、管理水準も他の公園とは全然レベルが違う。歩くことで健康になる健康まちづくりの観点からも、中心部の松川を整備して、用がなくても思わず歩きたくなる楽しい場所を作るというのは非常に大きなインパクトがあると思いますね。

 


▲京田さんが若い頃に設計された、松川の「親水のにわ」

 

健康まちづくりの観点からも、中心部の松川を整備して思わず歩きたくなる場所を作るというのは非常に大きなインパクトがあると思います

 

京田 憲明(きょうだ・のりあき)
昭和31年(1956年)2月14日、富山市生まれ。明治大学農学部卒(造園学)。昭和54年、富山市入庁。農林水産部次長、都市整備部長などを経て、㈱富山市民プラザ専務取締役。


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