松川の魅力アップで、環境と観光のシンボルに

川べりを魅力ある場所に作り替えることができる

 富山発祥の地である神通川湾曲地帯を松川、いたち川が今もゆったりと流れ、富山の発展を静かに見守っている。
 「街づくりとは、自分の住む街をしっかり見つめ、そこを魅力ある場所に作り替えること」、ときっぱり。
 川を生かした街づくりは、富山の歴史にかなった他都市にない魅力的な街の創造につながる。
 「街の特色に見合った、人々を引きつけて離さない、新たな魅力づくりが不可欠」、と強調する。
 本来、川は人間にとって最も身近に自然を感じられる場所であり、潤いと安らぎを与えてくれる所。ところが47年前、松川にコンクリートでフタをして、駐車場にするという無謀な計画があった。
 「恥ずかしいね。東京・日本橋の上に高速道路を架けた発想と同じで、街の歴史や、文化を踏みにじって、美しい景観を台無しにしてしまう。パリのセーヌ川にフタをしたら、パリでなくなってしまうでしょう」
 松川は神通川によって生まれた富山の歴史を今に伝えると共に、街のシンボルとしての顔も合わせ持っているのだ。
 静岡大学農学部を卒業、専門の水資源と環境経済学を研究するうち、田園地帯を潤す川が街中にあって、美しい自然環境を作り出すことを発見。

 


▲魅力ある場所に作り替えたサンアントニオ

 

護岸のデザイン、散歩道などを工夫しよう

 「日本の川は、治水工事によって人工的な川となってしまいましたが、草花、高い木々、護岸のデザイン、散歩道などを工夫することによって、川べりを都市の雑踏から遠ざけてくれる、魅力ある場所に作り替えることができるのです」
 21世紀は環境の世紀と言われる。政府も、ようやく観光立国に気付いた。人口減少社会に入り、街の活性化のためには、交流人口が増々重要になってくる。
 「県都・富山のシンボルである松川を、魅力ある場所に作り替えることが、環境を生かした観光立県に繋がるはず」

 


▲可能性が眠る松川

 

 

県都・富山のシンボルである松川を、魅力ある場所に作り替えることが、環境を生かした観光立県に繋がるはず。“水の都とやま”創造の成否は、私たちの意志力と想像力に懸かっている

 

西頭 德三(さいとう・とくそう) さん
1938(昭和13)年6月7日、南砺市(旧福光町)生まれ。静岡大学農学部、京都大学大学院農学研究科卒。農学博士(京都大学)。高岡短期大学長を経て、2005(平成17)年10月、新・富山大学初代学長に。その後、静岡市の常葉(とこは)大学学長を務めた。“水の都とやま”推進協議会 副会長。
○尊敬する人…後藤新平 ○好きな言葉…「お金を残す人は下、仕事を残す人は中、人を残す人は上である」


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