友坂の二重不整合、朝日の滝(富山市)

呉羽丘陵の生いたちを学ぶ


▲3つの異なる地層が見られる(右側には看板があるが、こちらは歩道が狭く車に注意。なお、反対側の道路沿いには車をとめられるスペースがある)


▲それぞれの地層の名前

 呉羽丘陵の南端の崖で、時代が異なる3つの地層が2つの不整合で重なっているのを見ることができる場所がある。ここは県指定天然記念物に指定されており、「友坂の二重不整合」と呼ばれている。ちなみに、地殻変動で隆起した地層が浸食を受けて部分的に断たれ、その上に新しい地層が堆積した状態を「不整合」というそうで、友坂では、3時代の地層が2つの不整合で重なっているので「二重不整合」というのだそう。
 3時代の地層の最下部にある軽石質凝灰岩層(上の写真ⓐ)は、今から約1千年前、このあたりが海だった頃に海底火山の爆発によって堆積したもの。やがてこの層が隆起して陸地となり浸食を受けた。その後一帯が沈降して再び海底に沈み、新たに粗い砂の層(写真ⓑ)が堆積して、第一の不整合面が形成された。
 約100万年前までにこれらの地層が横からの力を受けて褶曲し、再び陸上へ。当時このあたりを流れていた神通川によって砂礫(写真ⓒ)が運ばれて堆積し、第二の不整合がつくられた。その後、この一帯は更に隆起し、現在の地形となった。
 なお、このように2つの不整合が確認できる例は全国的にも珍しく、また、呉羽丘陵の生いたちや神通川の旧流路など、富山県の地史を考える上でも大変貴重だ。
 近くには不治の病も治すと言われた朝日の滝があるので、一緒にご覧になってみては?


▲北側に向かってのぞむ呉羽丘陵


▲朝日の滝は、呉羽トンネルのすぐそば


▲朝日の滝


▲大ケヤキ。県内でも屈指の巨木

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