舟つなぎの椎(しい)の木(富山市)
富山県の代表的な椎の老木
▲舟つなぎの椎の木。かつては、もっとこんもりとしていたそう。現在、富山市が年に1回程手入れをしているそう。忠魂碑が隣にあった頃は訪れる人も多かったそうだが、近年は大木を描く絵描きさんが来られる程度だとか。
その昔、この椎の木は、山本地区の奥から放生津潟に注いでいた鍛治川を上り下りする舟のつなぎ場所として使われていたということです。孤立した大木で、地上3mぐらいで数本に枝分けして繁茂し、根元や幹から小枝を出し樹勢を盛り上げています。大きさからいっても富山県の代表的なもので、県指定の天然記念物にもなっています。
なお、この付近に「椎土」という名前の地名があることから、昔は相当生育していたとも考えられるそうで、過去の植物分布を知る資料としても貴重だということです。
昔は、木のすぐ横に川が流れていて、子供達がざりがにを取りにきたり、椎の木の下をくぐったりして遊んでいたこともあったそうです。
ちなみに、日本の本州の椎には、ツブラジイと、スダジイがあり、この木はスダジイで、本州中部以西に多い常緑樹。県内では、氷見や朝日町宮崎、境などの海岸に近い山の斜面に多いということです。
▲太い幹
▲近くの熊野社。もともと本社がここにあったそうだが、今は近くの高台に移っている。
※ご近所の方の話では、かつての池多村は吉田知事の時に、呉羽(今の富山市)と小杉町(今の射水市)に分かれたという。