焼岳(長野県、岐阜県)

 焼岳といえば、神通川の上流、高原川の上流にある山で、大昔から何度も大きな噴火を繰り返してきた。上高地の大正池は、1915年(大正4年)の焼岳の噴火で、梓川がせきとめられてできたという。飛騨山脈の中では最も活動の激しい活火山である。
 弊誌2003年9月号の「馳越線100周年記念特集 成政と神通川」で遠藤和子氏が、天正12年9月、焼岳の大噴火による激流で、それまで婦中町ねむの木から西にそれていた神通川が、大きく東に寄ったと述べている(ただし、この噴火は文書記録では残っていないようだ)。
 なお、奥飛騨砂防資料館の展示資料によると、大正3年、富山県知事が、神通川で大水害が相次いでいたことから、上流から下流まで一貫した治水工事を行なうため、飛騨地方を富山県に編入することを望む意見を発表したという。これに対し、飛騨の代表者は反対。大正8年以降、国による砂防工事が行なわれるようになったという。


▲大正池と焼岳



▲奥飛騨砂防資料館


▲資料館からのぞむ山々

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